京都文化博物館フィルムシアターで開催中の、『脚本家・依田義賢の世界』。
9月25日は、時代劇の傑作『元禄忠臣蔵 前篇』(1941)が上映された。


「忠臣蔵」の、そして「時代劇の決定版」をつくるという姿勢で企画された本作は、武家建築、言語、風俗、衣装と各界の研究者を考証に迎えて、美術監督の水谷浩と建築監督の新藤兼人がそれをまとめ上げた。討入りの無い忠臣蔵、しかし、武士のジェントルな生きざま、そして死際の美学を捉え、荘厳な様式美で描写する。

‪#‎ミニシアター‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

画像1: (C)『元禄忠臣蔵 前篇』(1941)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive-cinefil

(C)『元禄忠臣蔵 前篇』(1941)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive-cinefil



京都文化博物館フィルムシアター、脚本家・依田義賢の世界。
9月25日は『元禄忠臣蔵 前篇』(1941)。
「忠臣蔵」の、そして「時代劇の決定版」をつくるという姿勢で企画された本作は、武家建築、言語、風俗、衣装と各界の研究者を考証に迎えて、美術監督の水谷浩と建築監督の新藤兼人がそれをまとめ上げた。討入りの無い忠臣蔵、しかし、武士のジェントルな生きざま、そして死際の美学を捉え、荘厳な様式美で描写する。

‪#‎ミニシアター‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

画像2: (C)『元禄忠臣蔵 前篇』(1941)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive-cinefil

(C)『元禄忠臣蔵 前篇』(1941)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive-cinefil

『元禄忠臣蔵 前篇』
1941(昭和16)年松竹京都 興亜作品/111分・モノクロ
総監督:白井信太郎 原作者:真山青果 脚色者:原健一郎、依田義賢 
演出者:溝口健二


『元禄忠臣蔵 前篇』
1941(昭和16)年松竹京都 興亜作品/111分・モノクロ
総監督:白井信太郎 原作者:真山青果 脚色者:原健一郎、依田義賢 演出者:溝口健二 撮影者:杉山公平 美術監督:水谷浩 建築監督:新藤兼人 音楽監督:深井史郎

画像3: (C)『元禄忠臣蔵 前篇』(1941)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive-cinefil

(C)『元禄忠臣蔵 前篇』(1941)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive-cinefil

『元禄忠臣蔵 前篇』
1941(昭和16)年松竹京都 興亜作品/111分・モノクロ
配役

出演:河原崎長十郎(大石内蔵助)、中村翫右衛門(富森助右衛門)、河原崎国太郎(磯貝十郎左衛門)、嵐芳三郎(浅野内匠頭)、阪東調右衛門(原惣右衛門)、海江田讓二(堀部安兵衛)、

羅門光三郎(井関徳兵衛)、小杉勇(多門伝八郎)、三枡万豊(吉良上野介)市川右太衛門(徳川綱豊)、清水将夫(加藤越中守)、山岸しづ江(大石妻おりく)、

三浦光子(瑶泉院)、山路ふみ子(お喜世)、高峰三枝子(おみの)、梅村蓉子(戸田局)、河津清三郎(細川越中守)、瀬川菊之丞(大高源五)、市川笑太郎(堀部弥兵衛)、橘小三郎(赤垣源蔵)、市川莚司(武林唯七)、市川菊之助(片岡源五右衛門)、市川扇升(大石松之丞・主税)、島田敬一(新井白石)

画像4: (C)『元禄忠臣蔵 前篇』(1941)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive-cinefil

(C)『元禄忠臣蔵 前篇』(1941)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive-cinefil

『元禄忠臣蔵 前篇』
1941(昭和16)年松竹京都 興亜作品/111分・モノクロ
総監督:白井信太郎 原作者:真山青果 脚色者:原健一郎、依田義賢 演出者:溝口健二


[前篇]松の廊下で吉良上野介に斬りかかった浅野内匠頭は即刻切腹の上、お家は取りつぶしと決められた。その報を受けた城代家老の大石内蔵助は、城内最後の評定の席で藩士に仇討ちの決意を語る・・・。


[後篇]浅野家復興の儀かなわぬ”との報がもたらされ、ついに大石は江戸に向かった。主君の墓前に誓いを捧げ、瑶泉院を訪ねたが“仇討決行”は打ち明けなかった。そして元禄15年12月14日・・・。


真山青果が史的事実を調査して書き上げた十九幕からなる長編戯曲を原作に、依田義賢と原健一郎が脚色し溝口健二が監督する。
「忠臣蔵」の、そして「時代劇の決定版」をつくるという姿勢で企画された本作は、武家建築、言語、風俗、衣装と各界の研究者を考証に迎えて、美術監督の水谷浩と建築監督の新藤兼人がそれをまとめ上げた。

キャスティングも、元禄忠臣蔵を舞台で公演していた前進座の面々を中心に、松竹のオールスターをちりばめて構成。

本作でも溝口健二監督独特の長廻し演出が駆使されるが、600畳と言われる松の廊下をはじめ全編を考証通りに再現されたセットを背景に、舞台で手慣れた前進座俳優陣の抑え気味の演技も冴え、それを追う杉山公平のキャメラワークも流麗を極める。

本作は討入りこそないが、武士のジェントルな生きざま、そして死際の美学を捉え、荘厳な様式美で描写する。

特にクライマックス、切腹場に呼び出しの厳かな声が響き、死装束の武士が静かに腰をあげ、廊下に消えてゆく。
暫くあって、次の呼び出しの声が響く、そして同じ白装束が腰をあげる・・・。
この大書院に響く一音に、武士の魂の透明な気高さを重ねる演出は白眉。
まさに傑出した忠臣蔵である。

画像: (C)京都文化博物館フィルムシアター、脚本家・依田義賢の世界。-cinefil


(C)京都文化博物館フィルムシアター、脚本家・依田義賢の世界。-cinefil

京都木屋町で生まれ、京都を拠点にして活躍し、140作品以上のシナリオを手がけた依田義賢(1909~1991)。

『浪華悲歌』以来、20年近くに渡って溝口健二作品の脚本を担当し、その全盛期を支えた。
「溝口あっての依田」とされる一方、「依田あっての溝口」とも評価される。

一方、伊藤大輔、内田吐夢、今井正ら巨匠の作品から、娯楽映画や左翼系映画にまで幅広く、最高品質の脚本を提供している。

今回の特集では、映像学会関西支部での依田義賢回顧特集にあわせ、溝口以前からその後まで、幅広いジャンルで上質な脚本を練り上げた、依田義賢の実績をふりかえる。

京都文化博物館フィルムシアター、脚本家・依田義賢の世界。
上映スケジュール

9月 8日(火)13:30~・18:30~
10月18日(日)17:00〜のみ
ある映画監督の生涯
『ある映画監督の生涯』
1975年近代映画協会作品(カラー・150分)/監督:新藤兼人/
出演:伊藤大輔、田中絹代、依田義賢

9月9日(水)13:30~・18:30~
浪華悲歌
『浪華悲歌』
1936年第一映画作品(モノクロ・71分)/監督:溝口健二/
出演:山田五十鈴、梅村蓉子、大倉千代子

9月10日(木)13:30~・18:30~
祇園の姉妹
『祇園の姉妹』
1936年第一映画嵯峨野作品(モノクロ・69分)/監督:溝口健二/
出演:山田五十鈴、梅村蓉子、志賀廼家弁慶

画像: ©京都文化博物館フィルムシアター、脚本家・依田義賢の世界。

©京都文化博物館フィルムシアター、脚本家・依田義賢の世界。

9月11日(金)13:30~・19:00~
『僕らの弟』
1933年日活太秦作品(モノクロ・無声・56分)/監督:春原政久/
出演:南部章三、佐藤圓治、須藤恒子

9月12日(土)13:30~・17:00~
15日(火)13:30~・18:30~
残菊物語
『残菊物語』
1939年松竹京都作品(モノクロ・143分)/監督:溝口健二/
出演:花柳章太郎、森赫子、高田浩吉

9月13日(日)13:30~・17:00~
25日(金)13:30~・18:30~
元禄忠臣蔵(前)
『元禄忠臣蔵 前篇』
1941年興亜・松竹作品(モノクロ・106分)/監督:溝口健二/
出演:河原崎長十郎、中村翫右衛門、河原崎国太郎

9月16日(水)13:30~・18:30~
26日(土)13:30~・17:00~
元禄忠臣蔵(後)
『元禄忠臣蔵 後篇』
1942年松竹下加茂作品(モノクロ・111分)/監督:溝口健二/
出演:河原崎長十郎、中村翫右衛門、河原崎国太郎

9月17日(木)13:30~・18:30~
19日(土)13:30~・17:00~
歌麿をめぐる五人の女
『歌麿をめぐる五人の女』
1946年松竹太秦作品(モノクロ・93分)/監督:溝口健二/
出演:坂東蓑助、田中絹代、川崎弘子

9月18日(金)13:30~・19:00~
20日(日)13:30~・17:00~
夜の女たち
『夜の女たち』
1948年松竹大船作品(モノクロ・73分)/監督:溝口健二/
出演:田中絹代、高杉早苗、浦辺粂子

9月21日(月・祝)13:30~・17:00~
雨月物語
『雨月物語』
1953年大映京都作品(モノクロ・97分)/監督:溝口健二/
出演:京マチ子、田中絹代、森雅之

9月22日(火・祝)13:30~・17:00~
山椒大夫
『山椒大夫』
1954年大映京都 (モノクロ・124分)/監督:溝口健二/
出演:田中絹代、花柳喜章、香川京子、進藤英太郎

9月23日(水・祝)13:30~・17:00~
近松物語
『近松物語』
1954年大映京都作品(モノクロ・102分)/監督:溝口健二/
出演:長谷川一夫、香川京子、南田洋子、進藤英太郎

9月27日(日)13:30~・17:00~
わたしの名は情婦
『わたしの名は情婦』
1949年大映京都作品(モノクロ・87分)/監督:森一生/
出演:水戸光子、二本柳寛、菅井一郎

9月29日(火)13:30~・18:30~
10月2日(金)13:30~・18:30~
おぼろ駕籠
『おぼろ駕篭』
1951年松竹太秦作品(モノクロ・95分)/監督:伊藤大輔/
出演:阪東妻三郎、田中絹代、山田五十鈴、佐田啓二

9月30日(水)13:30~・18:30~
10月3日(土)13:30~・17:00~
西鶴一代女
『西鶴一代女』
1952年新東宝=児井プロ作品(モノクロ・137分)/監督:溝口健二/
出演:田中絹代、山根寿子、三船敏郎


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