わが師匠である巨匠・渡辺護監督の大回顧特集上映が、東京でいよいよ始まりました。

きのうの開幕初日、私は会場に向かいながらも、事情で参加をとりやめましたが、この、心ときめく、初冬まで続く大ロングラン・レイトショー連続上映には、今後、足繁く通いつめることになりそうです。

渡辺護監督といっても、一般の映画ファンの皆さま、とくに女性のお客さまには、あまり馴染みがないことと存じます。私たちの映画業界にあっては、この故・渡辺護監督は、大巨匠、映画神のお一人なのですが、それをご説明するために、渡辺護監督のよき研究者であり、鬼才監督・脚本家の井川耕一郎さんと、その協働者で女性編集者の北岡稔美さんによるコメントを、以下にご紹介いたします。

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(井川耕一郎監督)
「ピンクの巨匠」「活動屋」──渡辺護は古き良き時代の映画人というイメージで語られることが多かった。けれども、私たちは本当の彼をまだよく知らない。たとえば、ピンク映画のことを一度カッコに入れて見てみるとどうなるか。渡辺は1931年生まれ。ゴダールやトリュフォーたちヌーヴェルヴァーグと同世代なのだ。それに、デビュー作『あばずれ』を『少女縄化粧』『変態SEX 私とろける』と二度リメイクしていることが分かったのもつい最近だし、三本をまとめて見ることができるのは今回の特集が初めてなのだ。渡辺護自伝的ドキュメンタリーの中で彼はサービス精神たっぷりに喋りまくるが、饒舌の中に時折、幸せなときは過ぎ去った……という悲哀がのぞく。この悲哀と監督作にはどのような関係があるのか。渡辺護はこれから発見される監督、未知の可能性を持った監督である。

(北岡稔美・映像編集者)
敬愛する渡辺護監督の特集上映『ゆきてかえらぬ 渡辺護 官能の映画旅』が、本日よりラピュタ阿佐ヶ谷で始まります。
渡辺護監督と聞いてもピンと来ない方もいらっしゃると思いますが、主にピンク映画の世界で活躍された名監督で、監督作品は200本以上と言われています。
可愛かずみ、美保純のデビュー作を撮った監督でもあります。
今回は、代表作はもちろんのこと、監督の死後発見された幻のデビュー作を含む14作品を上映。
渡辺護作品にはドラマがあり、人物に生命力があり、心をグッと掴まれる瞬間があり、観終えたあとの余韻にいつまでも浸っていたくなる魅力があります。
映画としてのクオリティが高い作品が多く、『職人監督』としての技術を堪能することができます。
また作品の大半は「女性の生き様」がテーマになっています。
主人公たちは懸命にひたむきに生き、必要とあらば戦うことも辞さない…そんな彼女たちは美しく、ものすごく魅力的です。正直、女性の方々に観ていただきたいです。
渡辺護監督が亡くなってから初となる大回顧上映。上映の機会があまりない貴重な作品も数多くかかります。
一人でも多くの方に渡辺護作品に触れていただき、渡辺護という監督に興味を持っていただきたいと思っておりますので、みなさまよろしくお願いいたします!
そして最後になりますが。
渡辺監督が自身について語ったドキュメンタリー『糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護』『つわものどもが遊びのあと 渡辺護が語るピンク映画史』も上映致します。
…私が編集を担当した作品です。
ご興味のある方、こちらもぜひいらしてください。
監督がひたすら喋りまくるだけですが、個人的昭和史からピンク映画史、撮影秘話など面白いエピソードがテンコモリです。どうぞよろしくお願いいたします!
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この井川さんや北岡さんほか多くの皆さんのご尽力で完成した『渡辺護監督ドキュメンタリー』シリーズも、上のコメントにもありますように、期間中、併映されます。

折りしもちょうどいま東京国立近代美術館フィルムセンターで大特集が上映中の、もう一人の大巨匠、映画神、加藤 泰監督が、ご覧になって「とてもかなわない」とおっしゃったという渡辺護監督、その渾身の作品群。東京とその近郊の皆さまにおかれましては、この機会にぜひ渡辺護の世界をご堪能ください。

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渡辺護(わたなべまもる)。1931年東京生まれ。早大文学部入学後、八田元夫演出研究所に入る。その後、TVドラマの俳優、脚本家、助監督などの経験を経て、1965年、『あばずれ』で監督デビュー。ピンク映画界で活躍。東てる美、美保純、可愛かずみのデビュー作を撮り、世に送り出した。現在、確認できる監督作は210本だが、それ以上撮ったと言われている。2013年、新作準備中にがんに倒れ、亡くなる。
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画像1: 映画監督・旦 雄二の☆それはEIGAな!  Cool! It's a movie! by DAN Yuji   ♯44(通算 第63回)  巨匠・渡辺護監督 大回顧上映

『ゆきてかえらぬ 渡辺護 官能の映画旅』
7月23日〜11月14日 連日21:00より
日本映画の殿堂『ラピュタ阿佐ヶ谷』にて

〇第一回上映作品
7月23日(土)~25日(月):3日間のみ
映画『あばずれ』(幻のデビュー作)
1965年(昭和40年)/扇映画/白黒/60分 ※16mm短縮版

あばずれ
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/watanabemamoru/sakuhin1.html#01

■脚本:吉田貴彰(吉田義昭)/撮影:生田洋(竹野治夫)
■出演:飛鳥公子、左京未知子、黒木純一郎、千田啓介
父を死に追いやり、すべてを奪ったあの女が憎い! 17才の立子は義母の文枝と愛人の早田に復讐する。
少年の頃に見て感激した衣笠貞之助『雪之丞変化』のような映画を撮りたいという思いに溢れた監督デビュー作。
(渡辺護)「今見たら下手くそだと思うんだよね、演出が。でも、一カットずつ真剣にこだわって撮っている」。
フィルムは現存しないと思われたが、二年前に神戸映画資料館が16mmプリントを発見。東日本初上映!

画像2: 映画監督・旦 雄二の☆それはEIGAな!  Cool! It's a movie! by DAN Yuji   ♯44(通算 第63回)  巨匠・渡辺護監督 大回顧上映

旦(だん) 雄二 DAN Yuji
〇映画監督・シナリオライター
〇CMディレクター20年を経て現職
〇武蔵野美術大学卒(美術 デザイン)
〇城戸賞、ACC奨励賞、経産省HVC特別賞 受賞
〇日本映画監督協会会員(在籍25年)
〇映画『少年』『友よ、また逢おう』
〇CM『大阪ガス』(大竹しのぶ)『DHC』(神保美喜、細川直美、山川恵里佳、藤崎奈々子)『東洋シャッター』(笑福亭鶴瓶)『岩谷産業』(浜木綿子)『武田薬品』(杉浦直樹)『NEC』(三田寛子)『ソルマック』(渡辺文雄)『出光』(山下真司)『トクホン』(吉田日出子)『ポラロイド』(イッセー尾形)『河合塾』(三輪ひとみ)『カレーアイス』(南 利明)『ラーメンアイス』『富士通』『飯田のいい家』『ポッカレモン100』『ミニストップ』『佐鳴学院 SANARU』ほか
〇ドキュメンタリー『寺山修司は生きている』『烈〜津軽三味線師・高橋竹山』
〇ゲーム『バーチャルカメラマン』『バーチャフォトスタジオ』
〇アイドル・プロジェクト『レモンエンジェル』
〇脚本『安藤組外伝 群狼の系譜』細野辰興監督版(共作)
〇映画監督・旦(だん)雄二のブログ
http://s.ameblo.jp/danchan55/

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