アメリカ女子ゴルフ界を代表するプレーヤー、クリスティ・カーがサイアム・ダービーLPGAマレーシアで優勝を飾った。40歳17日でのツアー通算20勝目に「40代で勝ちたいと常々いってきたけれど、なってすぐ勝てたわね!」と貫禄の笑み。

節目のツアー20勝を飾った

18歳でプロデビューした頃のカーはいまとは全くの別人だった。ぽっちゃり体型を通り越し80キロ超えのボリューミーな体に地味なメガネ姿。ところが一念発起して25キロのダイエットに成功し、メガネをコンタクトに変えると口角まで上がり見違えるような美人プロに変身した。

すると本業でもチャンスが巡ってくる。デビューして6年目の02年ロングスドラッグチャレンジで初優勝。20代で10勝を挙げトッププロの仲間入りを果たす。しかも節目の10勝は最高峰のメジャー、母国のナショナルオープン(07年全米女子オープン)での勝利という強運の持ち主だ。

画像: 10年前の2007年全米女子オープンを制したときのクリスティ・カー(2007年全米女子オープン)

10年前の2007年全米女子オープンを制したときのクリスティ・カー(2007年全米女子オープン)

同じく美人プロとして人気が高いポーラ・クリーマーやナタリー・ガルビスとカーが一緒に練習ラウンドをするとギャラリーが殺到。サイン攻めに合う光景がLPGAツアーの風物詩になったことも。

30代に突入すると若手とアジア勢が台頭し、中堅やベテランの居場所が狭まったが、そのなかでもしっかり勝星を積み重ね9勝をゲット。最近はさらに世代交代の波が激しく、自分の娘でもおかしくない年頃の選手たちと戦わなければならない。しかしカーは年齢をものともせず宣言通り40歳になったばかりで「40代で優勝」の目標をクリアした。

もし外せば4人でのプレーオフにもつれ込む展開でカーが魅せたのが「打った瞬間入ると思った」という10メートル強の超ロングパット。それをねじ込むとド気迫のガッツポーズで年下のライバルたちを一蹴した。

画像: カーは日本ツアーでもおなじみ。写真は2016年TOTOジャパンクラシックにて

カーは日本ツアーでもおなじみ。写真は2016年TOTOジャパンクラシックにて

ところで今大会初日トップに立ったのが元女王のリディア・コーだった。カーの年齢の半分のコーは前週行われた台湾の大会で久々に優勝争いを演じ単独2位に入っている。その流れで復活か? と期待されたが2日目以降失速し11位タイに終わった。

迷えるコーはここ1年3カ月勝利に見放され世界ランクは1位から8位に後退。クラブを替え、コーチを代え、キャディを替えながら、不本意なシーズンに溜まったフラストレーションを晴らす機会を失った。

とはいえすでに約1億1千万円(100万ドル)を稼いでいるのだから並みのプロなら文句はない。だがコーとなると話は別。

2年前の全盛期と比べると平均飛距離が250.39ヤード(60位)から今季はおよそ7ヤード減の243.01ヤード(140位)。さらにパーオン率も77.00パーセント(2位)から71.74パーセント(28位)に下がり、データからはスウィング改造がうまくいっていないように見受けられる。

そういえば2年前コーはこういっていた。「私のプランは30歳になったら引退すること」。40歳のカーが目の前で優勝する姿に、果たしてコーはなにを感じたのか?

「ゴルフはメンタルゲームです。自信がないと戦えません。ツアーに出ている選手は皆、ものすごい才能の持ち主。そのなかで勝つ人と勝てない人の差は自信だと思います。今シーズンの私は自信をなくして苦しんだ時期もありますけど、それさえ取り戻せればまた勝てるはず。自信を持ってプレーしたいです」(コー)

写真/姉崎正

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