ドローやフェード、球を操って飛ばす時代が終わろうとしている。最近の若手プロたちの持ち球はストレートだ。操るよりも、高弾道で真っすぐドカーンと飛ぶ球が今の主流。そんな、通称“ドカ球”の打ち方に迫った。

“クラブをどう使うか”から“体をどう使うか”へ

全盛期には世界でもっとも美しいスウィングとまで言われた伊澤利光プロも道具の進化に翻弄された一人だ。昔ほど道具への違和感はないと話すが、それでもドライバーだけは別ものだと語る。

「道具によってスウィングが変わったことは間違いないです。クラブもですがボールもしかり。ボール自体の直進性が高くなったので、より曲げにくくなったことは事実です。だから、昔のまま感覚でスウィングすると、まったくタイミングが合いません。昔はドライバーもアイアンと同じように振ったらダメ、ドライバーだけは別ものだと考えています」(伊澤、以下同)

道具が変わったことで、スウィングにも変化が起きた。

画像: ヘッドの大きさよりもボールとシャフトの進化がスウィングに最も大きな影響を与えているという伊澤。ボールが真っすぐ飛ぶかどうかは軌道が重要で、理想的な動きをするために自分に合ったシャフトを選べるようになった

ヘッドの大きさよりもボールとシャフトの進化がスウィングに最も大きな影響を与えているという伊澤。ボールが真っすぐ飛ぶかどうかは軌道が重要で、理想的な動きをするために自分に合ったシャフトを選べるようになった

「意図的にシャフトをしならせないようになりましたね。今のシャフトは性能がよくなって勝手にしなってくれる。今のクラブは、自分で何かしようとしてはダメなんです。昔は自分でクラブを操り、打点を変えたりしていろんな球を打っていました。でも今はできるだけ何もせず、真っすぐ打つことが大事。クラブの進化が、このように球筋を変えたのです」

画像: 左が20年前、右が今のダウンスウィング。以前はシャフトをしならせるためにダウンスウィングで過剰な体重移動を行っていた。今、その動きを入れるとタメが強くなりすぎて、逆にシャフトの動きを制御できなくなる。少しの体重移動で十分になった

左が20年前、右が今のダウンスウィング。以前はシャフトをしならせるためにダウンスウィングで過剰な体重移動を行っていた。今、その動きを入れるとタメが強くなりすぎて、逆にシャフトの動きを制御できなくなる。少しの体重移動で十分になった

スウィングが以前とは違うとのことだが、具体的にどう変えたのか。

「昔はヘッドを走らせることを考えていましたが、今はその感覚はなく、押すイメージを持っています。手首を返してローテーションを多く使っていたのに対し、今はそれが少なくなりました」

伊澤プロはボールの反発性や直進性の高さがボールを曲げにくくなった要因で、そのボールに対して大型ヘッドをどう振っていくかを考えたとき、あれこれ細工せず、フェース面を真っすぐボールにぶつけ、体の回転で打つことが得策だと思ったという。

「ヘッドの大型化が、スウィングに一番影響を与えている。何もしなくてよくなったから楽になったわけではありませんが、手首を使って行う、フェースローテーションの量は確実に減っています」

伊澤プロが言う、ボールを押す時間が長くなったとは、フェースがスクェアに保たれる時間が長くなったことを指す。ターゲット方向に対してフェースが真っすぐに向いている時間が長いほど、ターゲット方向にエネルギーを伝えることができる。

「タメを使ってクラブを体に引きつけるようにして下ろしていた以前とは違って、今は体の動きを同調させることを重視しています。これもすべて、クラブに余計な動きをさせないため。クラブをどう振るかというより、体をどう使うかということが大事になったんです」

画像: 左は2004年、右は2017年のローテーション。以前は手首を返して球を押し込んでいた(2004年)が、体の回転でローテーションが起こる(2017年)スウィングに変化した

左は2004年、右は2017年のローテーション。以前は手首を返して球を押し込んでいた(2004年)が、体の回転でローテーションが起こる(2017年)スウィングに変化した

この記事は、週刊ゴルフダイジェスト2017年11/28号の特集「ドロー、フェードの時代は終わった。これからはドカ球だ!」より。特集では小鯛竜也、星野陸也らが、“ドカ球”を打つためのコツをレクチャーしている。必読だ!

写真/岡沢裕行

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