オーストラリア・メルボルンで開催された「オーストラリアン・オープン」(1月15日〜28日/ハードコート)。

 昨年、長いグランドスラム・タイトルへの渇きに終止符を打ち、復活のキャリアが始まった場所へ戻ってきたロジャー・フェデラー(スイス)は、6回目のオーストラリアン・オープン優勝杯を掲げてキスし、20番目のグランドスラム・タイトルを祝いながら、涙を流した。

 第2シードのフェデラーは日曜日の試合を高い集中力と激しさをもって始め、それが第6シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を驚かせた。その後、緊迫し、流れが双方に行き来したその試合で、フェデラーは精神的にも踏みこたえ、最終的に6-2 6-7(5) 6-3 3-6 6-1で勝利をおさめた。

 昨年のオーストラリアン・オープンに先立ち、4年以上もグランドスラム・タイトルに見放されていたあと、フェデラーは今、ここ5大会のうち3大会で優勝を遂げることになった。

「本当に幸せだ。信じられないことだよ」とフェデラーは深呼吸をし、涙をこらえながら言った。

「もちろん、優勝は絶対的夢の実現だ。昨年送った信じがたいほど素晴らしい年のあと、我々にとって、僕にとってのおとぎ話は、まだ続いている。信じられないほどだ」

 センターコートに自分の名を貸した偉人、ロッド・レーバー(オーストラリア)は、観客たちの中に立ち、フェデラーが20番目のグランドスラム・タイトルを獲った初の男となった特別な出来事を記録しようと、写真を撮っていた。

 フェデラーは表彰式の終わりに、観客席にいる自分のチームにお礼を言ったとき、涙を流し始めた。「みんな、愛してる。ありがとう」と彼は言った。そして、あふれる涙が顔をつたって落ちる中、スタンディング・オベーションを受けた。

 36歳と173日にして、フェデラーはオープン化以降の時代にグランドスラム・タイトルを獲った、史上2番目に年齢の高い選手となった。1番は、37歳で1972年のオーストラリアン・オープンに優勝した、ケン・ローズウォール(オーストラリア)である。

「ロジャーと彼のチームに大きな賛辞を送りたい。あなたたちがやっていることは驚くべきことだ」とチリッチは言った。

「僕にとって、ここに来て決勝に至るというのは素晴らしい旅だった。僕は第5セットの出だしにわずかなチャンスを手にしていたが、ロジャーは素晴らしい第5セットをプレーした」

 観客たちが大きくフェデラーを贔屓していることは、試合の早い段階から明らかだった。フェデラーのファンたちはシャツや帽子、幕、顔などに国旗をほどこしていたため、アリーナは赤と白のスイスの国旗で埋め尽くされていた。フェデラーの勝利を予見し、あるファンは「The Big Two-Oh. Go Roger!」と書かれたサインを掲げてもいた。

 フェデラーは第1ゲームと第3ゲームでブレークを果たし、わずか12ポイントのうちにラケットを変えることをチリッチに強いて、素早く行動を開始する。外の暑さゆえに閉じた屋根の下で行われ、わずか24分しかかからなかった第1セットでのフェデラーは、自分のサービスゲームでは2ポイントしか相手に与えなかった。

 しかし、第2セットでのチリッチは、強力なフォアハンドをうまく使って巻き返し、フェデラーのサービスだった第10ゲームでセットポイントをミスしはしたが、タイブレークをものにして試合を振り出しに戻した。

 フェデラーは29分で第3セットを取り、第4セットでも先にブレークを果たしたが、ここでふたたび流れがチリッチのほうに傾き、チリッチは、やることなすことがうまくいくとう形で、ふたたびセットをイーブンに持ち込む。第4セットで、フェデラーのファーストサービスの確率は80%から36%にまで落ち、チリッチはそこを逃さず攻撃した。

 チリッチは、第5セットの第1ゲームで2度、フェデラーのサービスをブレークするチャンスを手にしたが、その双方を2本のアンフォーストエラーで無駄にしてしまった。彼はそれから第2ゲームで2度、ダブルフォールトをおかして自分のサービスゲームを落とし、勝負を分けかねないリードをフェデラーに与えてしまった。

 フェデラーは、昨年のウインブルドン決勝を含め、チリッチとのここ9度の対戦で8度勝っていた。彼の唯一の敗戦は、チリッチが初のグランドスラム・タイトルを獲得した2014年USオープンの準決勝だった。

 そしてスイスの偉人は、この日の試合に関しても、落としかかってはいなかった。フェデラーはふたたびプレーのレベルを上げ、第6ゲームでふたたびチリッチのサービスをブレークすると、最後のゲームをラブゲームで終わらせた。彼の祝いのジェスチャーは、不成功に終わったチリッチの判定への「チャレンジ」(自動ライン判定)で、少し遅れた。これは、昨年のラファエル・ナダル(スペイン)に対する5セットの勝利にも似た終わり方であり、12ヵ月前同様、フェデラーの目からは涙があふれた。(C)AP(テニスマガジン)

※トップ写真は優勝したロジャー・フェデラー(スイス/右)と準優勝のマリン・チリッチ(クロアチア/左)
Photo: MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 28: Marin Cilic (L) of Croatia poses with the runners-up trophy and Roger Federer of Switzerland poses with the Norman Brookes Challenge Cup after winning the 2018 Australian Open Men's Singles Final against on day 14 of the 2018 Australian Open at Melbourne Park on January 28, 2018 in Melbourne, Australia. (Photo by Mark Kolbe/Getty Images)

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