2018年国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」を制したのは昨シーズン賞金ランク2位の実力者、イ・ミニョン。その強さの秘密は「飛ばさない」プレースタイルにあった!? みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修が分析。

「飛ばさない」ことで縦と横の距離を合わせる

イ・ミニョンの選手の強さは「飛ばさない」という点にあります。

これは「飛ばない」ということとは大きく違います。ミニョン選手の3日間を通したドライバー平均飛距離は246.167Yで10位と、飛距離は十分にあるからです。その上で、彼女のゴルフの強みはあえて「飛ばさない」こと。詳しく見ていきましょう。

サンデーバックナインの15番ホール、パー4の2打目、ミニョン選手は残り124Yから9番アイアンを選択。放たれたボールはきれいなフェードボールでピンの根元につき、バーディ。これによって首位に並ぶことに成功します。勝利を決める上で、キーになった一打です。

画像: フルショットせず大きい番手で距離と方向をコントロールできるのがミニョンの強さ

フルショットせず大きい番手で距離と方向をコントロールできるのがミニョンの強さ

風はゆるやかなフォロー。読者のみなさんは、ゆるやかなフォローの124ヤードでどの番手を持つでしょうか? ある程度パワーのある男性ゴルファー同様、ミニョン選手であれば、きっとピッチングウェッジでも十分に届く距離だと思います。しかし、ミニョン選手はあえて大きめの9番を選択し、腰のあたりでフォローを止めるコンパクトスウィングで、“狙い打ち”してきました。

この番手選択に関して、キャディを務めた中川桂輔さんに話を聞きました。

「スタートホールで同じくらいの距離から9番アイアンを選択し、ベタピンでバーディスタートできていました。15番はそれより距離が少しあったのですが、ややフォローだったので同じ感じで行けばピンに寄せられると思っていました」

大きい番手で距離を落とすショットは、風のあるコンディションで非常に強い武器となります。なぜなら、そのような状況では“本来の番手ごとの距離”を打つことは基本的にできず、ほぼすべてがコントロールショットになるからです。

17番ホールのパー4、バンカーから放った2打目のショットもやはり「飛ばさない」ショットでした。中川さんによれば、ピンまで146ヤードのアゲンスト(向かい風)。バンカーのアゴ(へり)に当たることも考慮して、6番か7番かで迷う状況。中川さんが7番を提案する中、ミニョン選手は6番を選択。ピン手前につけ、見事にパーセーブを果たします。

画像: キャディの中川さん(左)がミニョンの優勝をサポートした

キャディの中川さん(左)がミニョンの優勝をサポートした

このように、ミニョン選手のゴルフは、つねに距離をコントロールする意識が見て取れます。風や距離の情報をもとに、ターゲットに対してボールをコントロールする意識をつねに持っていると、体が勝手に反応して、スウィングの大きさやスピードが調整されるようになってきます。つまり、番手ごとの飛距離を漫然と打つよりも、ターゲット意識がより高まってくるのです。最終日のプレッシャーの中、スーパーショットを連発できるのは、そのような普段からの積み重ねがあると私は見ます。

読者のみなさんも、練習場で一つのクラブでターゲットを変えながら打ってみる。一つのクラブで色々な距離を打ってみる。そのような練習をすると、ミニョン選手のような「あえて飛ばさないゴルフ」が身につき、スコアアップできると思います。

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