アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズで開催された「BNPパリバ・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/3月7~18日/賞金総額864万8508ドル/ハードコート)の女子シングルス決勝。

 キャリア初タイトルを獲得したばかりの大坂なおみ(日清食品)は、試合後のスピーチをするため、観客たちに紹介されるのを待っていた。

 20歳の日本人、大坂には、何を、どの順番で言うかがわかっていたし、その準備もしていた。

 しかし、いざ名前が呼ばれたとき、「私は動転してしまったの」と大坂は告白する。

「私はそれが何であれ、自分の頭に浮かぶことから話し始めた。だからこそ、自分の言っている文の途中で何度も止まってしまったのよ。言うべき別のことを思い出したりしたものだから。かなり恥ずかしかったわ」

 インディアンウェルズ・テニスガーデンに詰めかけた1万8347人の観客たちは、大坂がナーバスになっていることを感じ取っていたようだった。それは彼女が、ダリア・カサキナ(ロシア)に対する決勝でつかんだ6-3 6-2の勝利への過程で、隠そうと奮闘していたものだった。

「私は極度のストレスを感じ、すごくナーバスになっていた」と大坂は言った。

「でも私のプランは、自分が非常に落ち着いているかのように、見せかけることだったの」

 マイクの前では躊躇いがちでも、コートの上では違う。やはり決勝への驚きの進撃を謳歌していたもうひとりの20歳、カサキナをバラバラにしたその試合で、大坂は洗練されており、プロフェッショナルだった。

 44位だった彼女は、インディアンウェルズにノーシード・プレーヤーとしてやって来た。そして、22位という世界ランキングと、ここまでのキャリアでの獲得賞金額の約2倍に当たる、130万ドル(約1億3800万円)の小切手とともに去っていった。

「本当にこのタイトルを獲りたいと思っていたけれど、また、これが1回戦だと考えるよう努めてもいた。自分をあまり怖気づかせたくなかったから」と大坂は言った。

 彼女はこれ以前に、WTAツアーで準々決勝を越えたことが一度あるだけだった。18ヵ月前の東京で、大坂は決勝で敗れていたのだ。しかし、彼女の今季の成績は15勝4敗となっている。

「今年はすべての試合でより集中する、ということを目標にしていたの。だからそうした成果が出たのだと思うわ」と大坂は言った。

 日本の大阪市で生まれ、ハイチ出身の父と日本人の母を持つ彼女は、3歳のときにアメリカに移り住んだ。彼女は二重国籍をもっており、フェドカップでは日本を代表しつつ、ニューヨークと南フロリダの双方に居を置いている。

「今、私は自分のためにプレーしている」と大坂は言った。

「でも、小さかったときには、母を喜ばせるためにプレーしていたわ。主に母を喜ばせるためだけど、父もね。父に、誇らしく感じてもらうために」

 彼女の両親と、やはりテニスプレーヤーである姉まりは、カリフォルニアには来ていなかった。

 大坂とカサキナは、今週の「マイアミ・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/3月20~31日/賞金総額864万8508ドル/ハードコート)に出場するため、南フロリダに向かうプライベートジェットをシェアすることにした――ふたりにとって、このような移動は初めての経験だ。大坂はマイアミの1回戦で、子供時代からのアイドルだったセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と対戦することになる。

「私は自分が今、勝ち始めたと感じている」と大坂は言った。

「こうも安定していい成績をあげるというのは、私にとって新しいフィーリングよ。私は、そのことをただただうれしく思うよう努めているの」(C)AP(テニスマガジン)

※写真は大坂なおみ(日清食品)
INDIAN WELLS, CA - MARCH 18: Naomi Osaka of Japan poses with the championship trophy after defeating Daria Kasatkina of Russia during the women's final on Day 14 of BNP Paribas Open on March 18, 2018 in Indian Wells, California. (Photo by Kevork Djansezian/Getty Images)

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