日々進化を続けるゴルフクラブ。でも実際のところ、クラブのどの部分がどのように進化しているのだろうか。ギアライターの高梨祥明が初代ゼクシオドライバーと最新のゼクシオテンドライバーを比べてみたら、ここ20年で最も進化していたのは……ちょっと意外なあのパーツだった!

ゼクシオの初代と10代目。総重量の差はさて何グラム?

ゴルフクラブはモデルチェンジのたびに、進化しました! と宣伝しているけれど、実際どこが最も進化しているポイントなのだろうと考えてみた。飛距離? これは非常に難しい。なぜなら、ゴルフクラブの規格がルール改定のたびにいろいろと制限され、単純に飛距離が出るような構造にできなくなっているからだ。ヘッドの大きさ、反発性能、慣性モーメント、シャフトの長さまでもがこの20年でルールによるリミッターをかけられた。

では、何が変わったのだろう? ひとつだけ、ルール上で規制されずにどんどん進められている“革新”がある。それがクラブ重量である。20年前と今、クラブの重さはどのくらい違うだろう。ちょっと調べてみた。およそ20年ということで、初代ゼクシオドライバーと、最新のゼクシオテンドライバーを比べてみよう。

【ゼクシオドライバー初代】
2000年発売
総重量/285g
長さ/46インチ
ヘッド体積/305cm³

【ゼクシオ テンドライバー】
2017年発売
総重量/270g
長さ/45.75インチ
ヘッド体積/460cm³

その差、15g。シャフト単体の比較では、初代は硬度Rで49g。ゼクシオ テンは40g、R2なら39gである。およそ20年で10g軽くなったことになる。

薄くしても強度はそのまま。それが軽量シャフトの進化。

それでもたった10gでしょと思われるかもしれないが、シャフトを軽くするというのは基本的には肉薄にしていくことである。写真はゼクシオドライバーのオリジナルシャフトのシャフト先端(ヘッド側)を撮影したものだが、内径が小さい方が初代用のMP-100、内径が大きいのが最新ゼクシオ テン用のMP-1000だ。これをみても非常に薄く作られていることがわかるだろう。

画像: 初代ゼクシオドライバー用MP-100シャフトの先端(写真上)。最新ゼクシオ テンドライバー用MP-1000の先端(写真下)。約20年で、ずいぶん“肉薄”になった

初代ゼクシオドライバー用MP-100シャフトの先端(写真上)。最新ゼクシオ テンドライバー用MP-1000の先端(写真下)。約20年で、ずいぶん“肉薄”になった

同じ材料、設計ならば、薄くするほどに強度が落ちる。つまり、折れやすくなるということ。強度を保ったままシャフトを軽量にしていくことは、実は二律背反でとても難しいことなのだ。

メーカーのカタログをみると、軽量モデルのシャフトの説明には必ず、新開発の高強度カーボンを使用! ◯◯プリプレグを採用し、軽量化を達成! などと書いてあるが、これは簡単にいうと“新素材を使っているから、薄くしても折れないので安心してくださいね”ということなのだ。

画像: 部分的に強度や粘り、繊維の方向が違う複数のカーボン素材を組み合わせて巻き、一本のシャフトを作っていく

部分的に強度や粘り、繊維の方向が違う複数のカーボン素材を組み合わせて巻き、一本のシャフトを作っていく

今、20年前、30年前のドライバーを手にする機会があれば、その重さを感じてみてもらいたい。クラブはシャフトが硬いとハードと思われているが、実は重さの違いの方が振り感には効いてくる。ルールで規制されていないということは、単純に軽くしていっただけでは飛距離がアップしたり、ボールが曲がりにくくなったりはしないだろうが、ゴルファー高齢化の折、どうかこの先もクラブの軽量化にストップがかからないよう、陰ながら祈っている次第である。


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