PGAツアー第5のメジャー、ザ・プレーヤーズ選手権が華々しく幕を開けた。タイガー、ミケルソン、ファウラーが予選ラウンドを同組で回る“スーパーペアリング”が話題だが、ファンだけでなく選手、キャディ、関係者がいつにも増してウキウキしている。この大会が特別なワケ、PGAツアーが選手たちをやる気にさせるワケとは?

至れり尽くせりの「特別扱い」が選手のやる気に火をつける

ザ・プレーヤーズ選手権が特別なワケ。それはずばり高額賞金とフィールドの厚さ。優勝賞金賞金は全米プロと同じ189万ドルで2億円を超える。ほぼすべての試合が優勝賞金1億円超えではあるが今大会は通常の2倍近い。ちなみに189万ドルの上をいくのはマスターズ(198万ドル)と全米オープン(216万ドル)だけ。雇い主が優勝すれば10パーセントの実入りがあるキャディも目の色を変えずにはいられない。

フィールドは大袈裟でなく「メジャー以上に厚い」と関係者はいう。マスターズは出場人数が90名弱と少ないうえ歴代優勝者の枠があり、全盛期を超えたベテランが何人も出場することになる。

全米オープンが最高峰といわれるのは予選会の規模の大きさ。アマチュアにも広く門戸を開いているが、ことツアープロに関していえばザ・プレーヤー選手権のフィールドにかなわない。世界ランク上位選手はもちろん現在もっとも力がある144名が集結するのだから誰を観ようか目移りする。

コースの性質上誰が勝ってもおかしくないところも魅力のひとつ。池絡みのトリッキーなホールが多いため飛ばし屋が一概に有利とはいえない。飛ばなくてもクレバーに戦えば勝機がある。

賞金、フィールド、コースetc……“選手をやる気にさせる”というのが今大会を特別な存在に押し上げている。その魅力から「全米プロの代わりにザ・プレーヤー選手権をメジャーに昇格させては?」という声は昔からよく耳にする。

画像: 松山英樹も苦戦したプレーヤーズ選手権の“名物”浮島のパー3(写真/2015年のザ・プレーヤーズ選手権)

松山英樹も苦戦したプレーヤーズ選手権の“名物”浮島のパー3(写真/2015年のザ・プレーヤーズ選手権)

ところで米ツアーを経験した選手の多くが日本に帰ってくると「向こうは選手をやる気にさせてくれる」という言葉を口にする。なぜか? 

もちろん日本にはないコースセッティングの面白さもあるだろう。テレビで見ていたような選手たちと同じ舞台に上がる高揚感もあるに違いない。

小平智が勝ったRBCヘリテイジは平均的な大会だが優勝賞金は120万ドル(約1億3千万円)、最下位でも12万ドル強(約1300万円)と賞金の魅力は大きい。だが一番の違いは実は選手が試合会場近くの空港に到着したときにある。

ひとりひとりに割り当てられたコーテシーカー(専用車)が空港でお出迎え。選手たちは一週間その車を無料で使用することができる。試合によって違いはあるが大抵はレクサスクラスの高級車だ。

駐車場も違う。歴代チャンピオンにはチャンピオンパーキングが用意されており、クラブハウスへのアクセスは抜群。他の選手も駐車スペースにはことかかない。国内ツアーではたまにディフェンディングチャンピオンが特設パーキングに停めさせられ、シャトルバスでクラブハウスに移動しなければならないという笑えない話もある。

PGAツアーでは練習場もたっぷりスペースがあり選手たちが納得のいく時間を過ごすことができる。国内では練習場が狭い場合が多く芝ではなくマットなんてことも。

アメリカのケイタリングは上質で、プレーヤーズラウンジには常に豊富な食事が用意され、至れり尽くせり。選手たちは痒いところに手が届くサービスを享受しているのだ。

翻って日本はコーテシーカーもなければプレーヤーズラウンジがあるトーナメントも稀。たとえるならPGAツアーはビジネスクラスで旅をしているようなもの。ゆったり足を伸ばせるスペースが確保され、特別扱いされているという優越感を味わうことができる。

これはあくまでも心情をわかりやすくするための比喩。実際にはトッププレーヤーたちはビジネスクラスより上のファーストクラスやプライベートジェットを利用している。

人間だもの、誰だって特別扱いされたい。それは決して驕りたかぶるという意味ではない。「これだけ大事にされている」という実感が選手たちのやる気に火をつけるのだ。日本ツアーがビジネスクラスになるのはいつ?

写真/姉崎正

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