2014年の賞金王・小田孔明は、現在地元九州の若手たちと行動を共にしている。その中には今季2勝とブレークした秋吉翔太もいるようで……ベテランと若手が切磋琢磨する「チーム小田」について、ゴルフスウィングコンサルタントの吉田洋一郎が話を聞いた。

賞金王の経験を若手に

小田孔明は2014年に2勝を挙げて賞金王を獲得、今年40歳になるベテランプレーヤーです。今シーズン開幕直後は連続の予選落ちがありましたが、直近5戦ですべてトップ20位以内でフィニッシュするなど、安定感は健在です。ダイナミックなスウィングから放たれる飛距離が魅力でしたが、今シーズンの平均飛距離は274ヤードで全体の81位と全盛期からのパワーダウン感は否めません。しかし、これまでの経験で培った技術と経験を生かし一線級で活躍を続けています。

画像: 今年40歳の小田孔明。ベテランの知識と経験を生かし、第一線で活躍を続けている(写真は2018年のダンロップ・スリクソン福島オープン)

今年40歳の小田孔明。ベテランの知識と経験を生かし、第一線で活躍を続けている(写真は2018年のダンロップ・スリクソン福島オープン)

そんな小田は、同じく九州出身の若手、秋吉翔太(熊本県出身)、出水田大二郎(鹿児島県出身)や九州にゆかりのある北村晃一(福岡県在住)らと、ツアーで行動を共にしています。

選手間での技術を教えるという取り組みは古くからありました。我孫子GCの林由郎の教えを乞うために形成された「我孫子一門」などが有名です。その後も尾崎兄弟を中心とした「ジャンボ軍団」などがありました。

小田孔明を中心とした「チーム小田」の特徴は、つながりのゆるさだと思います。小田の年齢がもっとも高いですが、彼一人の技術を教わる場という感じはしません。コースマネジメントやトーナメント中の調整方法など技術にとどまらないパフォーマンスを上げるという部分に対して小田がアドバイスする関係性です。ミズノオープン、ダンロップ・スリクソンオープンに優勝し、海外メジャーにも挑戦する秋吉翔太のブレークにも一役買っているようです。

画像: 今シーズン2勝を挙げ、全英オープンへの出場も決まっている秋吉翔太(写真は2018年のダンロップ・スリクソン福島オープン)

今シーズン2勝を挙げ、全英オープンへの出場も決まっている秋吉翔太(写真は2018年のダンロップ・スリクソン福島オープン)

「秋吉はもうプロとして出来上がっている選手で、元々力はありましたから。細かい技術的なことはあまり言いませんが、コースの攻め方なんかはアドバイスしますね」(小田)

私が見たチームの練習ラウンドでは小田が出水田にラフの打ち方を教えていました。もちろん若手といえどトップツアーに出場するプロですので基本的な打ち方やコントロール方法は把握しています。しかし芝の種類や長さに応じた打ち方や、コースレイアウトや残り距離に即した対応方法など経験から得られるものは、ベテランに比べて引き出しが少なくなりがちです。そこをチーム内で小田がサポートするという関係になっていました。

また小田のほうも若手と一緒に練習ラウンドをする中で「刺激になる」と言っており、単に教えるだけではなく、若手から学ぶこともあるようです。

「彼らのイケイケなゴルフを見ていると昔の自分を見ているようですね。まだまだ自分も頑張らなきゃと思います」(小田)

ゆるくつながりながらお互いに刺激しあいながら共有する、こうした形は今の時代にマッチしたコミュニティの形かもしれません。

アマチュアにも“チームづくり”はオススメ

チーム小田のようなゆるやかなつながりは、技術の向上を目指すアマチュアにもおすすめです。

スウィングを教わるといった高度な技術的なことはコーチと取り組んだほうがよいですが、ラウンドの際の番手選択や状況判断など経験が必要になるコースマネジメントは、自分1人で引き出しを増やしていくより多くの人の考え方を聞いたほうが手っ取り早い。また自分でも考え方をアウトプットすることで、頭の中の再整理や考え方を見直すきっかけになったりもします。

そもそも状況判断や番手選択といったマネジメントは、誰かに習うというのがとても難しいものです。そういったレッスンを受ける機会も少ないでしょうし、いざコースに出ても毎回違うホールをプレーするため、パターン化が非常にしづらいという理由もあります。だからこそ情報を共有できる仲間を作り、一緒に切磋琢磨していくのが効率の良い方法だと思うのです。

撮影/姉崎正

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