アイアンをハンドファーストでインパクトするのはプロゴルファーの常識。しかし、その有用性を認めるものの「僕は絶対にしない」と断言するのは独自に考案した「ツイスト打法」で300ヤード以上飛ばす“雑巾王子”こと武市悦宏。自身の著書「オレって、こんなに飛んだっけ?」から、ハンドファーストのメリット・デメリットをご紹介。

「いきなりハンドファースト」には危険がいっぱい

僕は女性に手が早いので、ゴルフ仲間から“ハンドファースト”ってあだ名をつけられたことがある。ビンゴ! だって駆け引きが苦手なんだもーん。

でも、ゴルフでは絶対ハンドファーストにしないよ。あれは、僕に言わせれば、ウルトラCどころか、ウルトラZくらいの難易度だからね。ところが、最近練習場に行くと、ハンドファーストにしている人が実に多いことに驚く。

たしかに、ハンドファーストにはメリットがたくさんある。物理的にロフトが立つので飛ぶ。体重を上からドーンとぶつけるスウィングとなるので、さらに飛ぶ。ボールをフェースに乗せるイメージも作れるので、コントロールもしやすい。もう、いいことづくしよ。人間にたとえるなら、見た目もよく、仕事もできて、高収入な人、ボクとは対極な男のよう。でも、彼は言う。

「近寄ると、火傷するぜ」。

そうなんだよ、ハンドファーストってのは、習得できればいいことづくしなんだけど、アマチュアが容易に真似をすると火傷することが多い魔性のワザなんだ。

そもそも、手を前に出せば、ヘッドはそれよりも後ろにくる。だから、普通に打つと、当然振り遅れるわけよ。で、さらにロフトが立つってことは、言い換えれば球が上がらないってことなんだ。

じゃ、なんでプロはあんなカッコイイ球を打てるのか!? それはヘッドスピードが“でら”速いから。シャフトを適正にしならせ、ヘッドを遅らせずに戻せるからなのさ。

画像: プロはヘッドスピードが速く、しなり戻りでヘッドの遅れを取り戻せるからこそハンドファーストで打てるのだと武市は言う

プロはヘッドスピードが速く、しなり戻りでヘッドの遅れを取り戻せるからこそハンドファーストで打てるのだと武市は言う

それをよく理解せずに、ヘッドスピード40m/s以下の人や女性ゴルファーが真似をするから、地を這うようなチーピンしか出なくなっちゃうの。

アイアンだけでなく、ドライバーでもハンドファーストにしている人を見かけるけど逆効果。ただでさえ10度程度しかないロフトを立てたら、ゼロになっちゃうじゃん。

僕がハンドファーストと決別したのは10年前に遡る。研修生時代、練習場の球拾いをしていたときに悟った。今みたいに球拾いマシンもないから、SWで1球ずつ打ち、一ヵ所に集めていたんだ。真面目に振ると疲れるから、右手1本で軽くポ~ンポ~ンって打つ感じ。最初は全然うまくいかなかったの。シャンクしたりダフったり……。でも、さすがの僕も学習して、1ヵ月後には“でら”早く集められるようになったんだ。

コツは絶対にハンドファーストにしないこと! 左足ではなく右足の前でヘッドを返して球をさばくこと。そうすると、振り遅れることもないからシャンクもしないし、ヘッドが球に早くコンタクトできるからダフりもしないってわけ。

アイアンは飛距離より正確性でしょ。まずは球にちゃんと当てることが先決なのよ。当たらなかったら飛ばすこともできないからね。で、徐々に慣れてヘッドスピードも上がってきたら、ハンドファーストに挑戦してみたらいいと思うよ。ゴルフは急がば回れだよ。

おい、雑巾、女性に対してもハンドファーストじゃだめだぞ! なーんて声が聞こえてきそうだけど、おっしゃるとおり。これからはじっくり焦らして……って違うか(笑)。

「オレって、こんなに飛んだっけ?」(ゴルフダイジェスト新書)より ※一部改変

撮影/姉崎正

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