米男子ツアープレーオフシリーズ初戦ノーザントラストでブライソン・デシャンボーが後続に4打差をつける圧勝で今季2勝目を挙げた。なにかとお騒がせの24歳の良い顔、悪い顔とは?

デシャンボーがズボンのポケットに忍ばせているヤーデージブックの表紙にB.A.Dという文字が印刷されている。直訳するとバッド=悪という意味になるが……?

「僕はフランス系カナダ人でミドルネームがオードリッチなんです。ブライソンのB、オードリッチのA、デシャンボーのDの頭文字をとるとB.A.Dになる。なんかカッコいいし覚えてもらえるんじゃないかと思ってヤーデッジブックにB.A.Dと印刷しているんです」と本人。

ロングアイアンからウェッジまでクラブの長さはすべて37.5インチ。小さいころからなにごとも実験を繰り返し真実を突き止めなければ気がすまなかった個性派は優等生揃いのいまどきの若手のなかで異色の存在。「皆からマッド・サイエンティスト(いかれた科学者)って呼ばれていますよ」といってデシャンボーは笑う。

画像: 2位のトニー・フィナウと4打差の18アンダーでプレーオフ初戦に勝利したブライソン・デシャンボー(写真は2018年の全英オープン 撮影/姉崎正)

2位のトニー・フィナウと4打差の18アンダーでプレーオフ初戦に勝利したブライソン・デシャンボー(写真は2018年の全英オープン 撮影/姉崎正)

だがクラブの長さを揃えるのは憧れのベン・ホーガンにならって「ワンプレーンスウィングを目指したいから」。目的を達成するため、さまざまな実験をした上でのチョイスだから決して“いかれて”いるわけではないようだ。しかも自らの流儀を貫いてジャック・ニクラス主宰のメモリアルやプレーオフ初戦で優勝するのだから見上げたものである。

だがときとして周囲を驚かせるような言動も目立つ。たとえば今年のはじめにはかまぼこ型のセンターシャフトパターがルールに適合しない可能性があるとUSGA(全米ゴルフ協会)に指摘され「僕のやることなすことすべてにケチをつける」とUSGAに楯をつき、つい先日もコンパス(円を描く文房具)をラウンド持ち歩きなにやらヤーデージブックに描いていたのを見咎められ使用禁止を言い渡された。

また欧州ツアーのポルシェヨーロピアンオープンで優勝争いをした際には、3日目を終えてトップに並びながら最終日に崩れ、同組で回ったリチャード・マッケイボイ(英)に優勝を譲ったのだが、最
終ホールで池に2度つかまりトリプルボギーを叩いて頭に血がのぼったデシャンボーは、勝者を讃えることなく秒殺の握手でその場を後にするという暴挙に。これには「あまりにも無礼」「スポーツマンシップに欠ける」と炎上騒動となり、SNSで本人が火消しに躍起になっていた。

これらのエピソードは彼のB.A.Dな部分。だが全米プロゴルフ選手権開幕前に行われたロングドライブコンテストで優勝した際には、手にした賞金2万5千ドルをすべて白血病で急逝したジャロッド・ライルの家族に寄付する心優しいGOODな一面も持ち合わせている。

ちなみにトレードマークのハンチングはいまは亡き大学(サザンメソジスト大)の先輩ペイン・スチュワートへのオマージュ。かぶった帽子は試合ごとにファンにプレゼントしている。

善と悪が渾然一体になっているのが人間。そういった意味でデシャンボーは人間臭い人間なのだろう。

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