キャディバックのポケットには何が常備されている? ボールやマーカー、ティ、フォーク……それだけじゃない。ゴルフマナー研究家・鈴木康之のキャディバックは「フェアウェイのコンビニ」だという。自身の著書「ゴルファーのスピリット」から備えのゴルフをご紹介。

クラブは9本。だが、持ち物はたくさん

私は国内でも海外でもクラブは九本です。ですからゴルフバックは軽くてラクチンな口径六・五インチの小型です。しかし使い勝手のいい小型バックはなかなかありません。フード以外にチャック式のポケットが七つもあるスグレモノ、BOUNCER(ロゴも最小で上品です)を探しました。クラブ本数は少なくても、他の持ち物が多いからポケットの数はだいじなのです。

ボール五、六個、マーク用のカラーサインペン、アプローチ練習用傷ボール数個。ティペッグは長中短、ボールマーカー数種、グリーンフォーク、自販機用小銭数百数十円を入れたポシェット。手袋は数枚と雨天用。レインウェア上下と防水帽子、薄手のベスト、ハンドタオル数枚。晴雨兼用軽量傘。JGAルールブック。会員の名札。練習場のプリカと回数券。目土袋とスコップ。ゴルフ用メガネ。メモ帳と鉛筆。小型デジカメ。ケイタイ(マスター室との緊急連絡用。もちろん電源OFFにして)。顆粒のアミノ酸。ペットボトル飲料。飴各種。ティッシュ。目薬。バンドエイド。マキロン。スプレー式シップ剤。靴ベラ。スパイクのスペアとレンチ。輪ゴム。

この品揃えゆえに、私のゴルフバックは「フェアウェイのコンビニ」と呼ばれています。大中小の食品用ビニールバックなどに仕分けし、それぞれのポケットに収納しています。これら当店の揃えは私自身に役立つだけでなく、いざというとき同伴競技者のスムースなラウンドにも役立って喜ばれます。

画像: マナー研究家・鈴木康之の「フェアウェイのコンビニ」と呼ばれているという(写真はイメージ)

マナー研究家・鈴木康之の「フェアウェイのコンビニ」と呼ばれているという(写真はイメージ)

当店とサービスを競っているのがF商店です。私たちの火曜例会はスループレー。スルーは気持ちいいのですが、お腹がクゥと鳴ったりします。十番ティの脇で、Fさんが店内からチーズ六個入りの円い箱を取り出します。チーズは四個入っていて、空いているところに黒飴など四個が用意されているというサービスの充実ぶり。同伴者三人はこの配給を受けて、ペコペコはお腹から頭に移ります。これでFさんに頭が上がらなくなります。

ゴルフというのは、そもそも、斯様な事例もふくめ、備えのゲームではありませんか。ポケットのスペアボール、予備球、次打地点へのクラブ二、三本、レーキを持ってバンカーへ入ることなどは言うに及ばず、前夜から体調の備え、いやいや日ごろからの節制のその日のためのだいじな備えなのです。

半ズボンのソックス規定や現金精算のみかどうかなど、情報取集という備えも怠ると恥をかきます。電車を待つ間のホームで思わず腕をVの字にして動かしてしまうのも、次回のお楽しみへの備えでしょう。

備えとは常日頃からの思いがあってこそのもの。唐突ながらかのシェイクスピアは『ハムレット』の中で「富める者は友人に事欠くことはない」と書いています。「富める」とは金銭や地位のことだけではありません。思いや想像力、気づきや備えの心も含まれると解釈していいでしょう。

きょうのゴルフを何日前から思っていたか、何度思ったか、そのことでその人のゴルフ好きの度合いが分かります。幸せの度合いといってもいいでしょう。

「ゴルファーのスピリット」(ゴルフダイジェスト新書)より ※一部改変

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.