クラブフィッティングをすることが珍しくなくなった昨今だが、ボールのフィッティングとなるとまだまだ機会が少ない。ギアライターの高梨祥明がボールフィッティングを体験。ボール選びの基本は、スコアメークの基本にも通じるものがあった!?

ゴルフボールの違いは、50ヤードショットで比べればわかる

ゴルフクラブのフィッティングはかなりポピュラーになってきているけれど、ボールのフィッティングとなると、まだまだ日本国内ではあまり行われていない。今回はたまたま来日していたタイトリスト本社のフィッティング担当に話を聞く機会を得た。フィッティング体験をさせてもらいつつ、詳しく話を聞いた。

マイケル・リッチ氏は、タイトリスト本社でゴルフボールのフィッティングとエデュケーション(教育)を担当するマネジャー。まず、ボールフィッティングの最大のメリットについて聞いてみた。

「ゴルフボールの違いは外見から判断できるものではありませんよね? また、これまでいろいろなボールを試したことがあったとしても、同じロケーションで比較できていたわけではないと思います。つまり、多くのゴルファーがボールの違いをよく知らずに、なんとなく選んでしまっているのが現状なのです。タイトリストのボールフィッティングでは、まず、モデルごとの違いを打ちながら体感していただくことができます。そして、スコアをよくするためにはどんなボールを使えばいいのか、それを知ってもらうことができる。それが最大のメリットといえるでしょう」(リッチ氏)

画像: タイトリストのボールフィッティング担当マイケル・リッチは「弾道測定器でデータを見ることも大事ですが、一番大切なのは飛んでいくボールを見ることです」と語る

タイトリストのボールフィッティング担当マイケル・リッチは「弾道測定器でデータを見ることも大事ですが、一番大切なのは飛んでいくボールを見ることです」と語る

では、そのボールの違いはどうすれば見えてくるのだろうか。フィッティングプロセスの中に、そのヒントが隠されているという。

「タイトリストのボールフィッティングは、まず、50ヤードのアプローチを候補となるボールで打ってもらうことから始まります。ドライバーのようなフルショットよりも、ウェッジで打つコントロールショットのほうがボールの違いがはっきりと表れるのです。異なるボールで3球ずつ、50ヤードを打とうとした時にイメージしたキャリー、高さ、スピードで飛んでいくボールはどれなのか? そこに気がつくことがボール選びの初歩であり、最も大事なことになります」(リッチ氏)

私も実際に50ヤードに狙いを定め、「PRO V1」、「PRO V1x」、「AVX」の3モデルを打ってみたが、確かに飛び出す高さ、スピードの違いは明らかに感じ取れた。また、それぞれに打球音、打感に違いがあり、「AVX」はとりわけ飛び出す角度が少し高く感じられた。個人的には使い慣れた「PRO V1x」、「PRO V1」でも問題ないと思った。

あなたのキャディバッグには、何種類のボールが入っていますか!?

グリーン周りからボールフィッティングを始める理由は、違いがわかりやすいだけではないとリッチ氏はいう。

「タイトリストには、ボールを開発する時は必ずグリーン周りの性能から考える、という不文律があります。なぜなら、アイアンやウェッジで確実にカップに寄せ、1パットで納めていくことがベストスコアを生み出すことになるからです。もちろん、ドライバーなどのロングショットでの飛距離も大切ですが、まずはグリーン中心に性能を考え、その中でロングショットでの性能もバランスを崩さないように追求していく。ドライバーでの飛びを先に考え、その上でグリーン周りのことを考えるという考え方はタイトリストにはないのです」(リッチ氏)

ボールのことをグリーンからティグランドに向かって考えるのが、“GREEN TO TEE”の哲学。それはスコアメイクの基本でもあるのではないか? と、リッチ氏はフィッティングを通じて問いかけている。ゴルファーの多くは、大きな飛距離に関心があり、ドライバーで飛ぶのはどのボール? から入ってくるが、それこそが真逆のTEE TO GREENの考え方だ。それではスコアメイクも、ボール選びもおぼつかない。

画像: ボール選びのコツはグリーン周りでの性能差を見極めること。フィッティングでは50ヤードのコントロールショットで比較

ボール選びのコツはグリーン周りでの性能差を見極めること。フィッティングでは50ヤードのコントロールショットで比較

ボールフィッティングは50ヤードの次に、7番アイアンでの比較に移った。ここでの結果を見てリッチ氏は、私に愛用の「PRO V1x」ではなく、「PRO V1」にしてはどうか? と提案。なぜなら、私の7番アイアンショットはバックスピン量がかなり多く、少しスピン量を抑えることで飛距離が適正になり、かつ向かい風などの影響も受けにくくなるというのだ。アイアンでのスピンを減らすという観点からすると「PRO V1x」よりも、「PRO V1」、もしくは「AVX」でもいいくらいだという。

なるほどなぁと思いながら、最後のフィッティングプロセスであるドライバーでの3モデル比較となった。感触的には「AVX」がやや軽く感じ違和感があったが、データ的には3モデルでさほど大きな違いは見られないという。つまり、ドライバー基準ならどれでもいいですよ、ということだ。リッチ氏は、もしトライしてみる気があるならと前置きした上で、しばらく「PRO V1」でプレーしてみてはどうか、と提案してくれた。7番アイアンでのバックスピン過多、これを是正したほうがもっと安定したゴルフが展開できる、というのがその理由だ。なるほど、ぜひそうしてみようと思った。

画像: 筆者もボールフィッティングを体験。愛用する「PRO V1x」よりも「PRO V1」の方が合っていることがわかった

筆者もボールフィッティングを体験。愛用する「PRO V1x」よりも「PRO V1」の方が合っていることがわかった

最後に日本のゴルファーへ向けて、アドバイスをもらった。

「まずはゴルフバッグのボールポケットをみてください。おそらく様々なブランドのボールが雑多に入っているはずです。では、異なる銘柄のボールで、同じようなアプローチやパッティングのタッチが出せますか? 答えはNOです。安定したゴルフプレーのためには、ボールは1モデルに決める。そのボールを決めるために、機会があればボールフィッティングをぜひ受けてみてほしいと思っています」(リッチ氏)

確かに、我がバッグにも数種類の異なるボールが入っている……。リッチ氏は最後に「一度ボールを決めたら1年間は固定して使い続けてくださいね」と付け加え、フィッティングを終えた。

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