男子テニスの世界国別対抗戦、デビスカップ・ワールドグループ決勝「フランス対クロアチア」(11月23~25日/フランス・リール/室内クレーコート)。

 日常生活では気楽な人間であるというヤニック・ノア(フランス)だが、テニスコーチとしての彼は非常に綿密だ。

 そんな訳でここ10日というもの、フランスのノア監督は、今週末のクロアチアに対するデビスカップ決勝で、彼のチームが11度目のタイトルを勝ち獲るチャンスを脅かし得るものに、細心の注意を払っていた。

「もっとも重要なのは、この決勝のことを考えながら、選手たちが可能な限り長い時間を一緒に過ごすことだ」とノア監督は語った。彼は決勝の約2週間前、北フランスのリールでの厳しいトレーニングキャンプに選手達を呼び寄せた。

「パリでのトレーニングキャンプを想像することもできたはずだった。でもそうなると、1日が終わったあとに皆が家に帰ることになる」とノアは言った。

「実際、そんなふうだと集中力を失う。ここでなら、朝に目覚めたらすぐに、僕らはもう決勝の中にいることができた。朝ランニングを始めたとき、外はまだ暗かったけど、我々はすでに決勝の中にいた。食事を取りながら、我々は決勝のことを考えていたんだ」

 ノア監督は1991年、1996年、そして2017年にフランスをデビスカップ優勝に導いた。しかし、彼は今週末の決勝を限りに監督の座から退き、アメリー・モレスモー(フランス)があとを引き継ぎことになっている。

 彼は2016年に監督に復帰して以来、選手個々の成績が下降していたにも関わらず、毎年少なくとも準決勝には進出しており、2016年に一度だけクロアチアに敗れていた。

 彼らは昨年、決勝でベルギーを倒して優勝した。そして今、伝統的な方法でプレーされる最後の決勝で栄冠をつかむチャンスを手にしている。来年初頭から、男子テニス最高峰のチーム大会は、中立の開催都市におけるシーズン末の18チームによるトーナメントによって、勝負が決められることになる。

「我々は、ホームでデビスカップ決勝をプレーするという、無二のチャンスを手にしている。それはもう決して起きないことだ。チームにとってだけでなく、大会としても。我々のほとんどが、この決勝のことで頭がいっぱいになっているんだ。我々は、自分たちでコントロールできることのとのすべてを間違いなく最高の形で行えるようにしたい。熱狂的な試合になるだろう」

 2005年決勝でスロバキアを破ったクロアチアは、デビスカップで優勝した最初のノーシード国となった。今回の決勝でクロアチアは、それ以来となる2度目のタイトルを獲る可能性が高い優勝候補と目されている。

 クロアチアを率いるのは、世界ランク7位のマリン・チリッチ(クロアチア)だ。彼はシーズンを通していい成績を収め、前週のATPファイナルズに4度目の出場を果たしていた。シングルスでは、世界12位のボルナ・チョリッチ(クロアチア)がそのあとに控えている。

 対するフランスの選手たちは悪戦苦闘の1年を過ごし、世界32位のルカ・プイユ(フランス)が最上位となる。

 決勝は、リールのピエール・モロワ・スタジアムの閉じた屋根の下、クレーコートで行われることになっており、先週ロンドンの速い室内ハードコートでプレーしていたチリッチは、遅いサーフェスへの順応に苦労する可能性がある。

 しかしチリッチは、「対戦までに、準備は整う」と言った。

「我々は以前にも、ハードコートの大会の直後にクレーコートでデ杯をプレーしたことがある。プレーを適応させながら、もう少しスライディングし、走るのに慣れてくれば問題はないと思うよ。インドアクレーのコンディションは、屋外のクレーよりも少し速い。大丈夫だろう」

 今年のデビスカップ決勝カードは、少なくともサッカーファンにとっては、聞き慣れた響きがある。今年7月のサッカー・ワールドカップ決勝で、フランスはクロアチアを4対2で下していたのだ。

 クロアチアのジェリコ・クラヤン監督は、彼のチームは母国のサッカーチームから特に励ましのメッセージはなかったというが、「我々がワールドカップ決勝の雪辱を果たしたなら、彼らは喜ぶだろう」と言い添えた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は昨年の準々決勝のイギリス戦でのヤニック・ノア監督
ROUEN, FRANCE - APRIL 07: Yannick Noah the France captain looks on during the singles match between Lucas Pouille of France and Kyle Edmund of Great Britain on day one of the Davis Cup World Group Quarter-Final between France and Great Britain at Kindarena on April 7, 2017 in Rouen, France. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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