2018年11月22日、D4DRが企画・運営に関わる第19回「Next Retail Lab」フォーラムが開催されました。
今回は登壇者として、株式会社ジェイアール東日本企画 駅消費研究センターの松本阿礼さんを迎えました。

松本 阿礼:2009年株式会社ジェイアール東日本企画入社。プランニング局で駅の商業開発調査、営業局で駅ビルのコミュニケーションプランニングなどに従事した後、2015年より駅消費研究センターに所属。現在は、駅利用者を中心とした行動実態、インサイトに関する調査研究や、駅商業のコンセプト提案に取り組んでいる。

 移動する生活者にとっての駅施設・駅商業の価値とは何か?をテーマに、駅施設・駅商業に訪れる消費者「エキシューマー」に関する、様々な調査や研究結果から明らかになったことについて語っていただきました。

駅での買い物の多くは移動中に決まる?

 株式会社ジェイアール東日本企画が行った調査によると、首都圏生活者の60%が週1回以上電車を利用しており、多くの人が駅という空間を利用していることがわかります。また東京駅40km圏内在住者を対象にした、買い物をした場所に関するアンケート調査では、1割が駅という結果になったそうです。さらに、駅前(駅から徒歩5分圏内)までを含めると4割まで増加するとのことです。次に、来店を決めたタイミングについて見てみると、「そのお店を見たとき」や「前にいた場所を出た後の移動中」など、全体で約3割、駅の買い物では約4割が移動中に決められていることがわかりました。

エキシューマーの行動心理を把握することで駅消費の本質が見えてくる

 エキシューマーの行動心理の中で、代表的な「気持ちスイッチ消費」「出会い系消費」「シアワセ確認消費」の3つについて、紹介いただきました。例えば気持ちスイッチ消費は駅で消費をして、オンとオフの気持ちの切り替えを行い、心理的なバランスを取ろうとしているそうです。具体的には出勤時のコーヒーの購入や会社帰りに短時間で一息つける駅のカフェでの消費などがこの心理に該当します。このように駅では合理性に基づいた買物が多い一方で、非合理的な買物行動もみられるとのことです。エキシューマーの行動心理を深く知ることが駅消費の本質を知る一つの鍵になると松本さんは語りました。

駅ビルも「来店動機」を考える時代に

 人口減や競争激化など外部環境が大きく変わってきている昨今では、駅ビルも「来店動機」を考えなければならない時代になりつつあると松本さんは語ります。アンケート調査により、駅ビルに「気分転換買物」、「ウィンドウショッピング」、「無関心・暇つぶし」、「人との関係性・自己確認」、「買物功利」の5つの来店動機があることが明らかになりました。5つの来店動機の中でも、「人との関係性・自己確認」の割合が最も高く、来店頻度と使用金額も最大であったことがわかりました。自分らしく過ごしたり、同じ趣味・関心を持つ方とのコミュニケーションを取りたいという動機が多いことから、自分らしく過ごせる「居場所」が求められていることが明らかになりました。

 生活者のライフスタイルや価値観の変化にあわせて、駅施設・駅商業のあり方を変えていく必要があるでしょう。生活者が自分らしく過ごせる居場所をどのように提供し、どのように利益と結びつけるかが、今後のテーマになりそうです。

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