9日に行なわれた国内3大ツアー対抗戦・日立3ツアーズ選手権でシニアツアー(PGAチーム)が6年ぶりに優勝を飾った。男子ツアー(JGTOチーム)の3連覇を阻んだシニアチームの原動力となったのはMVPに輝いたプラヤド・マークセンだ。

レギュラーツアーの選手たちからもリスペクトを集める

「力みがなくてスムーズ。羨ましいくらいいいスウィング」とレギュラーツアーの多くの選手が「ベストスウィンガー」と絶賛するのがマークセンだ。

16年にシニアデビューするや4勝を挙げいきなり賞金王に。続く17年は獲得賞金を7千万円の大台に乗せ2年連続タイトル奪取。そして今年は5勝を挙げランキング2位の鈴木亨に3千万以上の差をつけ3年連続ぶっちぎりのナンバー1に輝いている。

同時にレギュラーツアーにも参戦。17年にはJGTOのシーズン開幕戦SMBCシンガポールオープンを51歳で制覇するなど冴え渡る二刀流は今季もしっかり同ツアーの賞金シードを獲得している。

レギュラーツアーで若手と遜色なく280ヤード飛ばすマークセンが3ツアーズでは同ツアーよりずっと前のシニアティでプレーしたのだからティショットは同組で回った石川遼のはるか40ヤード先。

画像: 国内3代ツアー対抗戦でシニアチームの原動力となったマークセン(写真は2018年の中日クラウンズ 最終日 撮影/姉崎正)

国内3代ツアー対抗戦でシニアチームの原動力となったマークセン(写真は2018年の中日クラウンズ 最終日 撮影/姉崎正)

「来年はJGTO枠で出るんじゃないですか?」と相手チームにいわしめたのも頷ける。

いまでこそ華やかな舞台に立つマークセンだがタイ、ホアヒン出身の52歳は16歳のときロイヤルホアヒンGCでキャディとなり独学でゴルフに取り組み25歳でプロになった苦労人だ。

以前インタビューしたとき通訳の女性が「彼が育った地区は劣悪な環境なんです。スラム街みたいなところで夢も希望もない。そんな場所からプロゴルファーになって活躍するなんて本当に奇跡としか思えません」と力説していたもの。

劣悪な環境を抜け出せたのは本人が持つ運と努力の賜物。キャディをしていたゴルフ場と関係の深いタイを代表するビール会社シンハビールの社長がマークセンを気に入りコースを訪れるたびキャディに指名。プロを目指していることを知りスポンサーになることを快諾し、ゴルフ場で働きながらアジアツアーに参戦することを認めてもらった。

日本ツアーで3勝を挙げた2008年にはアジアでのさまざまな実績が認められマスターズにも招待された。そのときは目の炎症に見舞われ「なにもできずに」予選落ちを喫したがタイ出身のゴルファーとしてはじめて夢に舞台に立ったことがキラデク・アフィバーンラトら後輩たちが世界に挑戦するきっかけとなっている。アメリカで活躍するジュタヌガーン姉妹も然り。

それにしてもタイの選手の苗字は長い。その点マークセンは珍しくすっきりして覚えやすい。163センチの小さな巨人は来年もシニアとレギュラーの二刀流で大いにゴルフ界を沸かせてくれることだろう。

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