今年最初のグランドスラム「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・メルボルン/本戦1月14~27日/ハードコート)の大会最終日、男子シングルス決勝。

 ラファエル・ナダル(スペイン)ほどの経験がない選手だったなら、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)がこの試合で彼に課したような敗戦によって、打ちひしがれていたに違いない。

 準決勝でのナダルは、20歳のステファノス・チチパス(ギリシャ)に対する圧倒的な勝利の中で、相手にわずか6ゲームしか許さずに日曜日の決勝行きの切符を手に入れた。チチパスは試合後、それが非常にショッキングな出来事だったと認めている。

 その3日後、ナダルはそのような仕打ちを受ける側になった。しかし、17度グランドスラム大会を制した男は、違った展望を持っていた。

「ステファノスはまだ、とても若い。彼は、テニスコートの上ではそういったことが起こり得るのだということを知るための時間がまだたくさんある」とナダルはコメントした。

「僕は、こういったことについて新人ではない。このようなことは起こりうるということを僕は知っている…たとえそれが史上最高のプレーヤーたちだったとしても」

 32歳のナダルは正確を期すため、「自分が打ちのめされたとは言わないよ」と言い添えた。

「僕の意見では、僕は(この決勝で)可能な限り最高に高いレベルの選手とプレーしていたんだ」

 グランドスラム大会での対戦成績でナダルはジョコビッチに9勝5敗で先んじていたが、全大会を対象とした通算成績で言えば、ジョコビッチがナダルに27勝25敗でわずかにリードしていた。

 しかしながら、メルボルンパークで実質的な重要性を持つのはハードコートでの対戦成績だ。ジョコビッチは、2012年のナダル対する5時間53分の伝説の対決を含め、これまでここでの6度の決勝で一度も負けたことがなかった。

 彼はまた、このサーフェスでのナダルに対するここ7試合で勝っていた。それに加えて、ジョコビッチはオーストラリアン・オープン優勝回数の最多記録樹立を望んでおり、そのために全力を尽くすに違いなかった。

 ナダルは最初の14ポイントのうち13本を落とし、第1セットではジョコビッチのサービスからのポイントをわずか1本しか取ることができなかった。

 彼は試合に戻っていくために、ラリーの中で必要だった特別なショットを見つけることができなかった。彼はこの大会で初めてセットを落とし、最終的にジョコビッチに対するグランドスラム大会での試合でもっとも深刻な敗戦を喫した。

 この結果で彼らのグランドスラム決勝での対戦成績は、4勝4敗のタイになった。

「今夜、彼は僕よりも上だった。それがスポーツだ」とナダルは試合後に語った。

「あれやこれやと話すことはできるだろうが、相手がほぼすべてにおいて自分よりうまくやったなら、こちらから何か言うことはできないよ」

 ナダルは、試合が始まってから1時間46分が経過したところで一度だけブレークポイントを手にしたが、バックハンドをネットにかけ、それをものにし損ねた。彼はがっくりと頭を落とし、コートに視線を落とした。

 ジョコビッチはこの勝利を、キャリア最高の試合のひとつだと評したが、ナダルをやっつけるための秘密を見つけ出したとは言いたがらなかった。

「彼の攻略法を解明したなんて言いたくないよ。将来それが自分に跳ね返ってくるようなことは避けたいからね」とジョコビッチは言った。

「この試合に関しては、彼の攻略法を見つけたかもしれないけど、それは一生ものじゃないよ」

 ナダルは、昨年9月のUSオープン以来となるこの大会で、全体的な自分の調子に満足していた。

「僕は非常に厳しい時間を通り抜けてきたんだ」

 膝、足、腹筋から、2018年末の足首の手術、また今季初頭の腿の筋肉の張りまで、小さいが慢性的な故障の数々をリストアップしながら、ナダルはこれまでを振り返った。

 決勝に進出するというのは、ほとんどあり得ないと考えていたことだった。このような病み上がりの状況ながら決勝まで勝ち進んだ末に敗れたというのは、十分な進歩だと彼は考えている。

「彼(ジョコビッチ)のプレーぶりは信じられないほどすごかった」

「でも…5ヵ月も試合に出ないでいて、あのような大きなチャレンジに直面するというのなら、僕にはほかの何かが必要だった。その何かを、たぶん今日の僕はまだ持っていなかったんだ…この非常に高いレベルで競うための何かを」

 ナダルは、攻撃的プレーに関してはそう問題はないが、ディフェンシブなポジションから、より多くの仕事をすることが必要だと分析した。

 彼のコーチを務めるカルロス・モヤ(スペイン)は、何が起きたかを分析する必要があると言ったが、ほぼ間違いなく日曜日のジョコビッチは誰をも倒していただろうと確信している。

 次のグランドスラム大会は、フレンチ・オープンだ。そこでジョコビッチは、4つすべてのグランドスラム大会に勝つことを目指してタイトル獲得に挑むことになる。しかし、ジョコビッチがメルボルンの君主なら、ナダルはクレーコートの王者だ。

「ここ数週間に起きたポジティブなことのおかげで、我々は彼の未来とレベルに関して非常に前向きな手ごたえを得た」とモヤはナダルについて語った。

「向上の余地があることはわかっている。彼はここ6試合、サービスを向上させ、非常にアグレッシブに戦い、とてもいいプレーをしていた。我々は、この2週間でつかんだ手応えをうれしく思うべきだと考えている」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はラファエル・ナダル(スペイン)
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 27: Rafael Nadal of Spain poses with the runners-up trophy following defeat in his Men's Singles Final match against Novak Djokovic of Serbia during day 14 of the 2019 Australian Open at Melbourne Park on January 27, 2019 in Melbourne, Australia. (Photo by Cameron Spencer/Getty Images)

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