目の前に木があって、グリーンをストレートに狙えない……そんなとき「前の木がスタイミーで狙えないなぁ」などと言う。と表現することがある。ところでこのスタイミーという言葉、元々は違う意味だったとか。それは一体?

「カップと自分のボールの間に、相手競技者のボールがある状態」

ティショットのポジショニングが悪く、次打でグリーンを狙おうとすると、立ち木やコースサイドの林が邪魔してストレートには打っていけない。こんな場面に遭遇したとき、「前の木がスタイミーだ」という表現を使ったりする。

画像: 木が邪魔でグリーンを真っすぐ狙えない状況を“スタイミー”表現するが、元々の意味は……(撮影/田中宏幸)

木が邪魔でグリーンを真っすぐ狙えない状況を“スタイミー”表現するが、元々の意味は……(撮影/田中宏幸)

この場合の「スタイミー(stymie)」は、「邪魔なもの」といった程度の意味。ところが、この言葉には、本来まったく別の意味があった。

元々「スタイミー」は、れっきとしたゴルフのルール用語で、「カップと自分のボールの間に、相手競技者のボールがある状態」のこと。つまり、「スタイミー」な状況は、グリーン上に限って存在した。

かつて、マッチプレーのシングルマッチにおいては、たとえ自分のライン上に相手のボールがあったとしても、ピックアップを要求することはできず、迂回してパットするか、相手のボールの上を越して打っていくほかなかった。

画像: マッチプレーにおいて、カップと自分のボールの間に、相手競技者のボールがある状態。それが元々の「スタイミー」の意味だった(撮影/姉崎正)

マッチプレーにおいて、カップと自分のボールの間に、相手競技者のボールがある状態。それが元々の「スタイミー」の意味だった(撮影/姉崎正)

このルールは、1952年にルールブックから削除されたが、それまでは、シングル・マッチプレーにおいて極めて一般的なものだった。従って、マッチを有利にするために、自分のボールをわざと相手の「スタイミー」な位置にパットするという戦略も、日常的に用いられた。

ちなみに、この「スタイミー」規定には例外があり、お互いのボールが6インチ以内の距離にある場合は、相手にピックアップを要求できた。今でも、スコアカードの横幅が6インチ(約15センチ)になっていることがあるが、これは、スコアカードを簡易定規としてボール間の距離を測っていた時代の名残である。

(ゴルフダイジェストTV『ゴルフ用語』より)

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