「パターに型なし」と言われるように、パッティングはショットと比べるとスタイルのバリエーションが非常に広い。クラブの形状もさまざまだし、ストロークのスタイルもいろいろ。そしてグリップの握りも選手によって大きく異なるが、その背景と歴史を紐解いた。

アンカリング規制が“異形グリップ”の増加を生んだ!?

近年、ツアー選手を中心に異様なグリップでパターを持つ選手が増えてきている。ジョーダン・スピースに代表される「クロスハンドグリップ」をはじめ、ジャスティン・ローズやセルヒオ・ガルシアのような「クローグリップ」、ブライソン・デシャンボーやマット・クーチャーのような「アームロックグリップ」などがそれで、ショットのグリップと比べると、実に多彩だ。

こういった「異形」グリップ自体はとくに最近生まれたものではなく、古くはベルンハルト・ランガーや尾崎直道らがアームロックで活躍したし、クリス・ディマルコなども2000年ごろからクローグリップを採用していた。

画像: ジャスティン・ローズはクローグリップ(撮影/姉崎正)

ジャスティン・ローズはクローグリップ(撮影/姉崎正)

しかし近年、アームロックやクローグリップを採用する選手が増えてきていることは確かで、USPGAツアーなどでは、オーソドックスな順手グリップをしている選手のほうが少数派に感じるほどだ。

その背景には、グリーンの高速化と、2016年から「アンカリング」が禁止されたことがあると、米ツアーに詳しい永井延宏プロは話す。

「コースメンテナンス技術の向上や芝の改良などで、近年、ツアーのグリーンはどんどん高速化しています。そして超高速化したグリーンでタッチを合わせるためにひじから先の感覚がシビアになっていくと、イップスのように“手が動かない”悩みを抱えるプロが増えてきます。長尺パターによるアンカリングは、パッティングストロークを“振り子化”して機械化し、手先の感覚を消すことでそういった症状を軽減する効果がありましたが、それが禁止されたことによって、異形グリップに解決策を求めるプロが増えたのだと思います」(永井)

実際、異形グリップの先駆者たるランガーやディマルコが、高速グリーンの代名詞であるマスターズに強い選手だったことはそれを象徴していると永井プロ。

では、それぞれのグリップにはどんな特徴とメリットがあるのだろうか。

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