特徴的なクロススポークデザインで人気のアルミホイール「LM」は、BBSブランドの高い機能性や信頼性を代表するプロダクツ。長い歴史の中で変わらず愛され続けてきた理由のひとつは、2ピース構造ならではのカラーやサイズバリエーションの幅広さにあると思う。はたしてLMの魅力は、どのようなプロセスを経て完成されるのだろうか。その製造現場を訪れて、制作の流れを見学してきた。

新しいキラメキを実現した「ブライトダイヤカット」のテクニック

画像: 左がシルバーダイヤカット、右がブライトダイヤカットでそれぞれ処理されたLM。ディスク部は同じゴールドだがリムの色違いでこれほど印象が変わる。

左がシルバーダイヤカット、右がブライトダイヤカットでそれぞれ処理されたLM。ディスク部は同じゴールドだがリムの色違いでこれほど印象が変わる。

東京オートサロン2020、観客で賑わうBBSジャパンブースでひときわ注目を集めていたのが、新色のリムを採用したLMだった。世界有数のビッグレース「ルマン(Le Mans)24時間耐久レース」の名を冠したLMは、1994年に登場し今なお定番アイテムとして愛され続けている逸品。そのラインナップに新たな表情が加わったのだ。

ブライトダイヤカットと呼ばれる製法によって生み出されたリム部の独特の輝きは、スタンダードなシルバーダイヤカットとは確かにひと味違っている。

「ダイヤカット」という名前のとおり、ダイヤモンド原石を使った「ダイヤモンドバイト」と呼ばれる工作機械を使って表面加工を施す手法そのものは共通だ。しかしブライトダイヤカットでは新たな素材を用いることで、従来の虹色の輝きとはまた少し異なる、透明感をまとった上質なキラメキを表現することに成功した。

2ピースホイールだからこそ、多彩なコーディネイトが可能に

今回、ショーデビューを果たした新作はリム部の新しい鏡面加工が特徴だけれど、これまでにもLMは文字どおり「多彩な」バリエーションを展開してきた。それはもっぱら、ディスクとリムの色合いをさまざまなパターンで組み合わせて生み出されたものだ。

そうしたカラーコーディネイトを容易にしているのが、「2ピース」ホイールならではの構造だ。ホイールの「顔」とも言うべき「ディスク」部分と、「胴体」に当たる「リム」部分が別々に制作されるので、塗り分けも比較的容易になる。

もちろん、そこは世界に名だたるBBSジャパンのプロダクツ。ディスクもリムも、ビレットと呼ばれるアルミ素材に強大な圧力をかける「鍛造」製法によって形作られている。

製品サイズやロット数によって異なるが、BBSジャパンの工場では5000トンから1万2000トンまでの加圧能力があるプレスマシンを使用。強大な圧力で二度三度と繰り返し「鍛え上げる」ことによって、素材密度を高め軽量でありながらより高い剛性を確保することができる。

ディスクとリム、それぞれにこだわりの製法を経て「ご対面」

プレスが終わったディスク面には、マシニングと呼ばれる穴あけ加工が施される。リム部はスピニングと呼ばれる工程で、引き延ばされて筒状に変身。加工が終わったものは一旦、熟練工による目視確認と細かな面取りや調整を行う「中間仕上げ」と呼ばれる工程に回される。

画像: 工場では、作業工程の随所で人の手によってバリ取りや面取りなどの処理が行われる。(写真は中間仕上げ)

工場では、作業工程の随所で人の手によってバリ取りや面取りなどの処理が行われる。(写真は中間仕上げ)

そのあと、ディスクとリムそれぞれに「ブラスト加工」が施される。これは小さな鉄球を高速でぶつけることで素材表の耐久性や耐食性、塗料の密着性をさらに高めるためのプロセスだ。

画像: ディスクとリム、それぞれにこだわりの製法を経て「ご対面」

続いて、それぞれに塗装工程へ。ダイヤカットはそうした塗装プロセス途中で、専用マシンによって加えられる処理だ。そうして塗り分けられたディスクとリムが、ようやく「ご対面」。いよいよふたつのピースがひとつのピースに組み合わされる時がきた。

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