日本が誇るショーファードリブンカー、トヨタ・センチュリー。この最高級車が今、新たな側面を見せている。“ドライバーズセンチュリー”、言わずとしれたTOM'Sがカスタマイズしたコンプリートカーだ。その足元にはなんとBBSホイールが。今回はTOM'Sの軌跡とセンチュリーを通して、プロから見たBBSの魅力を紹介していく。
※ショーファードリブンカー=専門の運転手が運転する高級車

TOM'Sとは?

レーシングチーム、チューナー、パーツメーカー……さまざまな顔を持つTOM'S(トムス)は、クルマ好き、ひいてはトヨタファンにとって憧れの存在だ。

そんなTOM’Sが限定36台というプレミアムなコンプリートカー・センチュリーを作り上げたという。

まずはTOM'Sの神山 裕示さんに、TOM'Sの軌跡を通してセンチュリー製作に至った経緯についてご紹介いただいた。

画像: TOM'S マーケティング本部にて本部長を務める神山 裕示さん

TOM'S マーケティング本部にて本部長を務める神山 裕示さん

「1973年にオイルショックが起きてトヨタはモータースポーツから撤退。当時、トヨタのファクトリードライバーとして活躍していた舘信秀と、トヨタディーラーのスポーツコーナー責任者だった大岩湛矣の二人は、実質仕事がなくなったような状況です。そんな状況下で、『俺たちはモータースポーツがやりたいんだ』と立ち上げたのがTOM'Sです。TOM’Sとは『Tachi Oiwa Motor Sports』の頭文字を組み合わせたものなんですね」

こうしてスタートしたTOM'Sは、これまで一貫してトヨタのモータースポーツを支えてきた。代表である舘氏が目指すのは、世界に通用するレーシングチームを作ること。そしてもう一つ、世界に通用するチューナーになること。

1970年代後半はトヨタ・スターレットでマイナーツーリングレースを席巻。当時はモータースポーツ好きとクルマ好きがイコールの時代、TOM'Sの知名度は一躍向上した。

その後、トヨタのレースシーンの中核として活躍する一方、レースで培ったノウハウを市販車に落とし込むべく数々のコンプリートカーを製作。と同時に、TOM'Sブランドをより広く認知させるべく、サスペンションやブレーキなどの各パーツも展開。こうして舘氏が思い描いたTOM'Sが形作られていった。

コンプリートカー・センチュリー
きっかけは豊田章男社長?

ロールス・ロイスやベントレーなどと同じく、日本が誇るショーファー ドリブンカーであるトヨタ・センチュリー 。その仕様は御料車として採用されるだけあって日本スペシャル。日本人の心にある「美」を造形と意匠に盛り込み、職人の技と想いを込めた数々の内装が乗客をもてなしてくれる。

乗車時の快適性はもちろんながら、乗り降りの際に立ち振る舞いが美しく見えるよう、車内足元やドア、ホイールベースまですべて計算されており、まさに「おもてなし」の精神を形にした1台だ。

画像: センチュリーのフロントグリルには、匠が1ヶ月以上掛けて彫り込んだ鳳凰のエンブレムが鎮座する

センチュリーのフロントグリルには、匠が1ヶ月以上掛けて彫り込んだ鳳凰のエンブレムが鎮座する

そんな格式高いセンチュリーをカスタマイズする……この発想に至った経緯とは何なのか?

実はこの背景にはトヨタ社長・豊田章男氏の行動が大きく関わっているという。

「舘と章男社長がコンプリートカープロジェクトについて内々に話し合ったことがありまして。そのとき、章男社長が『GRMNのセンチュリーを作ってる』っておっしゃったらしいんですよね。舘はそのとき章男社長が何を言ってるのか分からなかったそうなんですが……そのすぐ後に21年振りのフルモデルチェンジとして新型センチュリー が発表され、オートサロン2019ではGRMNが手掛けた黒いセンチュリーに章男社長が乗って颯爽と登場です。それを見て、神聖不可侵の領域にあったセンチュリーも“弄っていいんだ!”となったわけです」
※GRMN=トヨタ公式のコンプリートカーブランド

フルモデルチェンジしたセンチュリーはまさに羊の皮を被った狼のような1台……この性能を遺憾無く発揮させられるものを作りたい!ショーファーカーとしてのセンチュリーをTOM'Sテイストに弄ってみたい! こうしてTOM'Sによるセンチュリーのコンプリートカープロジェクトが始まった。

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