ディズニー・アニメーション史上最大の売上を誇る超強力コンテンツ『ライオン・キング』が実写映画化。主人公シンバをはじめ、実物としか思えない動物たちの豊かな表現力は、最先端のCG技術によるものだ。

超精細なCGに驚嘆

1994年に公開され、大ヒットとなったアニメ映画『ライオン・キング』を実写映画としてリメイク。シンバの幼馴染みであり恋の相手である雌ライオン ナラの声を世界の歌姫ビヨンセが演じたことでも話題になったが、やはり注目は実際の動物たちが動いているとしか見えない、超精細なCG。まるでBBCのドキュメンタリー映像を見ているかのようだ。

さらに、ミュージカル要素も不自然なく再現されており、特に有名なハクナ・マタタ(アシタマニアーナに近いニュアンス?)のくだりは、思わず一緒に踊り歌いたい気分になる。

画像: 「ライオン・キング」MovieNEX 予告編 youtu.be

「ライオン・キング」MovieNEX 予告編

youtu.be

同じくアニメーション映画の実写リメイク作品である『アラジン』同様にアニメ版からのストーリーに変化はなく、誰もが知るコンテンツを実写化して再提供する意義はその映像技術の冴えにある。

映画の出来としてはどうか?

映像作品としては、本作はお金を出して鑑賞するに足るモノだ。なにしろ(前述のように)その表現力たるや 驚嘆すべきものだからだ。

ただ、実のところ 本物のライオンやその他の動物たちが演じているかのように見えるその映像の凄さが、かえって最強のライオンによって統べられている動物王国というフォーマットの不自然さを観客に感じさせてしまう。

つまり、ライオンは狩りをする。そして獲物であるはずの草食動物たちもまた生き延びようと必死に逃げる。王は王国とそこに暮らす民を守る義務を負うが、同時にそこに棲む者の命を奪うほかない。
この矛盾を、アニメ版ではあまり感じずに済むのであるが、超実写版である本作ではついつい感じさせられてしまう。

本作は、その素晴らしい映像美に比すると、相応のヒットとは言いがたいらしいが、それはどうもこの矛盾を浮かび上がらせてしまったがゆえなような気がする。

ただし。映画というコンテンツの進化を確かめる意味では、本作を観る価値は十分にあるし、観ておくべきだと思う。

画像: 『ライオン・キング』の超精密CGに雄叫びを上げ、ハクナ・マタタを高らかに歌おう

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

This article is a sponsored article by
''.