進化し続ける工具「nepros(ネプロス)」。今回はその中でも通じ合う"ものづくり"への想いを持つ飛騨の匠とのコラボレーション製品を紹介する。(写真:西田雅彦、KTC)

本記事はモーターマガジン 2020年5月号にて特集された記事のWeb版です

画像: 「チェストWalnut(4段3引き出し)」の価格は250,000円、その工具セット「Walnutツールセット(29点組)」の価格は426,000円。

「チェストWalnut(4段3引き出し)」の価格は250,000円、その工具セット「Walnutツールセット(29点組)」の価格は426,000円。

鉄と木の匠がコラボレーション

木のぬくもりをいつも感じていられることは、とても贅沢なことだと思う。木が放つ香りや感触、そして視覚的にもリラックスできる癒し効果もある。さらに木と木が触れあうときの音も、とても魅力的だと感じている。

そんな木が使われた製品が、京都機械工具のフラッグシップ「ネプロス」の neXTから発売されたWalnut(ウォルナット)シリーズだ。そもそもウォルナットとは、くるみ材の植物で、「衝撃に強い」、「木肌が美しい」、「狂いが少ない」という特徴を持ち、高級家具や工芸品、楽器の素材として広く使われ、さらに経年変化も楽しむことができるのである。

画像: 小物の収納に便利な引き出しや取り外せるトレイ、仕分けできる2段引き出しなど高級家具としても使える。

小物の収納に便利な引き出しや取り外せるトレイ、仕分けできる2段引き出しなど高級家具としても使える。

京都機械工具(KTC)は、neXTシリーズの開発時に「工具や工具ケースを身近に、インテリアに」というのが開発テーマにあり、そこでウォルナットをチョイス、木の匠、飛騨産業とタッグを組んだ。鉄と木のコラボが誕生したのである。

ちなみに飛騨産業は、90年を超える歴史と蓄積された技術を持ち、使い込むほど思い出や愛着が込められていく家具を長く使ってもらいたいという想いを持つ顧客志向のものづくりを追求する家具メーカーである。

そして"ものづくり"はKTCだって本領だ。70年の歴史を持つハンドツールメーカーのトップブランドである。

そんな両社がコラボしたのだから、いい製品になって当然といえばそうなのだが、KTCは鉄、飛騨産業は木材を専門とする。それを上手く合致させた製品を生み出す苦労は並大抵ではなかったはずだ。

画像: 「nepros」の刻印が入る。ウォルナットは、使い込むほどに経年変化を楽しむことができる素材である。

「nepros」の刻印が入る。ウォルナットは、使い込むほどに経年変化を楽しむことができる素材である。

京都の伝統工芸が工具にも使われる

「ネプロスneXTチェスト Walnut(4段3引出し)」の本体サイズは、横552mm× 奥行き325mm×高さ382mmで天板の耐荷重は20kgで価格250,000円となる。

そしてそれにツールセット6.3sq.工具を入組みした「ネプロス neXT 6.3sq.Walnutツールセット」は、ツール29点組で価格426,000円である。さらに漆ラチェットハンドルセット(7点組)も用意する。

90枚ギア採用の「NBR390」のグリップ部は、京都の伝統工芸品「京漆器」と同じ技法で作られている。金色部分は蒔絵という技法を用いて、京漆器職人が注文を受けてから数カ月かけて作り上げていく。価格は2,390,000円である。

画像: 衝撃に強く木肌が美しく狂いが少ないという特徴を持ち高級家具や工芸品、楽器の素材として使われる。

衝撃に強く木肌が美しく狂いが少ないという特徴を持ち高級家具や工芸品、楽器の素材として使われる。

最後に開発者のT&M推進本部 商品開発部 汎用グループの大西さんに、この製品の特徴を聞いたところ「見た目も家具としても家庭に馴染む収納として考えました。デザインには日本らしい曲線を使い、横から見たら鳥居のように見えるようにあえて工具ケースに見えないデザインにしています。もちろん工具も入りますが、時計や葉巻といった嗜好品、お花や好みのアイテムをディスプレイするのもいいと思います。ぜひ家庭の中の拠点として使ってほしいですね」と言う。

木のぬくもりを家の中で感じる。それこそ究極の贅沢だと言えないだろうか。

画像: 京都の伝統工芸が工具にも使われる
画像: 「京漆器」とまったく同じ手法で作られた漆ラチェットハンドル7種を入り組んだセットも用意する。受注生産。

「京漆器」とまったく同じ手法で作られた漆ラチェットハンドル7種を入り組んだセットも用意する。受注生産。

画像: 究極の素材を探してたどり着いた飛騨の匠 nepros『neXT Walnut』

千葉知充|Tomomitsu Chiba

創刊1955年の日本で一番歴史のある自動車専門誌「Motor Magazine(モーターマガジン)」の編集長。いままで乗り継いできたクルマは国産、輸入車、中古車、新車を含め20台以上。趣味は日本中の競馬場、世界中のカジノ巡り。

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