マイアミ市警の熱血刑事コンビ、マイクとマーカスの活躍を描いたバディムービー『バッドボーイズ』(1995年公開。製作ジェリー・ブラッカイマー&監督マイケル・ベイ)。マイク役を演じたウィル・スミスはこの一作で世界的なスターとなった。
シリーズ第三弾となる本作は、周囲から“オジサン”扱いされる年齢となったマイクとマーカスが、新たな敵との戦いを通じて、一生バッドボーイズ(悪ガキ)であり続けることの難しさ?を思い知らされる、ややせちがらい作品になっている。
画像: 『バッドボーイズ フォー・ライフ』予告4 2020年1月31日(金)全国ロードショー youtu.be

『バッドボーイズ フォー・ライフ』予告4 2020年1月31日(金)全国ロードショー

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名選手もいつかは引退する時が来る

マイアミ市警きっての暴れん坊だったマイクとルーカスも、当然ながら歳を取る。昔ながらの強引かつ無謀な捜査もなかなか許されない時代となり、犯罪者に対しても(そしてもちろん警察官自身にも)人権への最大限の配慮が必要だ。そんな変化についていけない者は容赦なく取り残され、居場所を失う。
かつては許されたマイクたちの悪ガキぶりも、いまやただの無法な脱線行為となるうえ、捜査の中心となる若手捜査官たちからは、老害扱いされる始末だ。

そんな時代の変化を良しとしないマイクだが、一生バッドボーイズ(BADBOYS FOR LIFE)でいようと誓い合ったはずの相棒マーカスでさえも、孫が生まれたことで より保守化して引退を考えていることを知り、苛立ちを募らせる。

そんな時、マイクは謎の襲撃者によって撃たれ、重症を負ってしまう。
(マイクの気分からしたら、引退を囁かれる年齢になったアスリートがシーズン中に大怪我をしたようなものだろうか)

かつての一流選手が世代交代の波にさらされるのは世の理だが、その流れに抗うか従うかのどちらかをいますぐ選べと迫られたらどうするか?という、若者にはわからないだろう“オトナの逡巡”もしくは“中年の危機”をテーマにした?作品だ。

生涯現役!と胸を張ることの難しさ?

本作では、初孫を得るマーカスと 家庭を持たずに独身生活を謳歌してきたマイクの、環境の違いによる、自分たちの存在意義(アイデンティティ)に対する認識の違いがまず描かれる。

守るモノ(≒家族もしくは愛する人)ができてしまったマーカスは命を賭けた冒険に対して当然怯むし、身軽なマイクは気軽に危地に向かうことをためらわない。

本作のタイトルである『バッドボーイズ・フォー・ライフ』とは、一生バッドボーイズ(悪ガキ)でいようぜ!という意思表明であるはずなのだが、本当にそれでいいの?という問いかけでもある。

変わりゆく時代についていくのか抗うのか流されるのか、自分なりの態度を決めろという問いかけであり、背負うべき重荷(文字通りの荷物という意味ではなく、自分の命よりも大切に思う何か、という意味だ)を持った者が抱えなければならない責任に対してどう行動するのか?という問いかけでもある。

背負うべき重荷を持った人間は、その重荷を背負い続ける責任を果たさざるをえないが、そのために自分たちのアイデンティティを失うことになってもいいのか?もしくはアイデンティティを捨ててでも責任を全うするべきなのか、という問いに本作はなっているのである。

もちろん、自身のアイデンティティを守りながら責任も果たすというバラ色の解もあって、本作ではそういう選択を主人公たちにさせる(そうでなければ物語は成り立たない)わけだが、ストーリーの帰結はどうあれ、本作を観終わったときには、自分ならどうするかを考えさせられるだろうと思う。

画像: 『バッドボーイズ フォー・ライフ』 悪ガキも大人になる。わかっちゃいるけどせちがらい

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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