暴動が頻発する近未来のLAでひっそりと営業する、犯罪者専門の闇病院ホテル・アルテミス。
犯罪者かつ会員のみしか治療も入院もできない、裏社会の聖地を管理する女医兼ナースをジョディ・フォスター、彼女の補佐役エベレストを務めるのは、元プロレスラーのデイヴ・バウティスタだ。

ストーリー: 犯罪者たちの聖域にやってきた最悪の夜

暗黒街の大物が投資対象として設立したホテル・アルテミス。ホテルの体裁をしているものの、実態は負傷した犯罪者のみを対象とした、会員制の闇病院だ。
ハイテク医療を使いこなし、患者を次から次へと捌いていく(近未来のLAなので、ナノロボットによる治療や、3Dプリンティングした内臓で移植手術したりできる)のは“ナース”と呼ばれる管理者兼医者。ジョディ・フォスターが演じるこの医師は、息子を喪ったことによるトラウマを抱えながら、アルテミスを切り盛りしている。ナースの補佐をするのはエベレストと名乗る巨漢1人のみ。
怪我を負った荒くれ者たちが流れ着いてくる、特殊な医療現場は、その受け入れ体制もまた、非常に特殊なのだった。

ひとくちに犯罪者とは言っても、全員が同じ穴の狢というわけではなく、それぞれの立場は違うし、利害関係もあるから、患者同士のトラブルが発生する可能性もある。アルテミスでは、院内にいる限りは 他の患者の襲撃を禁じる掟があり、「ジョン・ウィック」シリーズに出てくる裏社会の非武装地帯「コンチネンタル・ホテル」のような存在になっている。

しかし、過去に例を見ないような大規模の市民暴動が起きたある水曜の夜、ホテル・アルテミスのその掟を無視した大事件が勃発する。

怪我人とはいえ犯罪者と接する医師の緊張感はさすがのジョディ・フォスター

本作はストーリー的にはB級アクションのそれだが、出演者はなかなかに著名な俳優ばかりだし(何よりジョディ・フォスターが出ているだけで日本人には馴染み深くなるだろう)、実際 よくできているのだが、いかんせん市場の評価はあまり高くなかったらしい。日本においては劇場公開が見送られている。

ただ、クライムアクションムービーとしては、その設定のユニークさを含めて、(アルテミス内は銃火器の不所持が義務付けられているから)銃器に頼らないアクションもなかなかにキレがあって好感持てる。実年齢より遥かに老いているふうに見える(そう演出されている)ジョディ・フォスターの演技も悪くない。トラウマを抱えた孤独?な女医の偏屈ぶりと、その偏屈を作った原因が明らかになっていく様を巧みに演じている。自分がアルテミスを仕切っているという自負はありながらも、殺人も厭わない悪人たちの看護を行うことへの緊張感(ちょうど野生の肉食獣の保護監察官のような気分か?)も伺えて、さすがはジョディと思えてしまう。
また、アルテミス内の秩序の破壊に一役買う女殺し屋を演じるフランス人ダンサー兼アクター ソフィア・ブテラの洗練された所作や殺陣の切れ味も小気味いい。

なので、外聞に耳を貸さず、とりあえず観て、好悪を決めればいい作品と思う。僕的には、アリ寄りのアリです。

画像: 『ホテル・アルテミス ~犯罪者専門闇病院~』で治療を受けるにはまず犯罪者でなくてはならない

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

This article is a sponsored article by
''.