世界各国で日本食ブームが謳われている中、現在イタリアの食文化にて日本酒が急速に取り入れられはじめている。日本酒とイタリアンを組み合わせるペアリングや、日本酒をベースとしたカクテルなど現地ならではの新しい楽しみ方が増えてきている。そこで昨年11月、イタリア・ミラノにてイタリア酒ソムリエ協会による酒品評会「ミラノ酒チャレンジ」が開催された。その品評会にて、全国屈指の酒どころである加賀の國 石川県の酒蔵「萬歳楽(まんざいらく)」より3銘柄が受賞。江戸時代より300年以上続く歴史や、日本酒造りの技術について紐解く。

イタリアでの日本酒市場拡大を目指す「ミラノ酒チャレンジ」とは?

画像: イタリアでの日本酒市場拡大を目指す「ミラノ酒チャレンジ」とは?

イタリア・ミラノと言えば、ファッションやデザインなど様々な分野においてトレンドの発信地である。また、歴史的な建造物や美術品なども多数存在していることからイタリア屈指の観光都市と称されている。

「ミラノ酒チャレンジ」は、日本酒が急速に浸透しているイタリアにて日本酒ブームを作り、盛り上げることを目標としている。さらに、現地での日本酒の楽しみ方を日本へ逆輸入することで、日本人の日本酒に対する関心を盛り上げることにも繋がる、とのことだ。

食や文化において世界レベルの技術や情報が集まるミラノは、まさに当イベントを開催する絶好の場。イタリアでの日本酒市場を拡大させ、世界に日本酒の可能性を発信する重要な機会なのだ。

当イベントのジャンルは、『純米大吟醸部門』『純米吟醸部門』『純米部門』『大吟醸部門』『吟醸部門』『本醸造部門』『普通酒部門』『スペシャル部門』の8部門。審査員は、酒ソムリエ協会認定の酒ソムリエ資格を持つ、レストランオーナーやシェフ、バーテンダーなど、イタリア在住でイタリアの飲食に携わる専門家が中心となっている。イタリア人によるイタリアでの品評会は、イタリア市場に向け、日本酒をアピールする絶好のチャンスなのだ。

その歴史は300年以上 加賀の國が誇る日本酒とは

天候や上質な水など、日本酒造りにおいて好条件と言われている加賀の國 石川県。今回受賞した「萬歳楽(まんざいらく)」は、清らかな水と山岳信仰の地として知られる白山の麓、鶴来(つるぎまち)の地に1716年に誕生した酒蔵だ。一体どのような酒蔵なのか、実際に話を聞いた。

画像: その歴史は300年以上 加賀の國が誇る日本酒とは

─「萬歳楽(まんざいらく)」の歴史や特徴について

「江戸享保年間、現在の地で“小豆屋甚兵衛”として商売を開始。江戸後期に酒造業を始め、明治中期に商標を「萬歳楽(まんざいらく)」と定め今日まで酒造りをしております。

石川県・白山は、日本で有数の古い地層を持つ地域で、 江戸時代には鶴来の村で11軒もの造り酒屋が登録された程、うまいお酒ができる銘醸地です。2005年には日本酒で初めて国税庁より地理的表示「GI白山」を取り、現在白山市内の5蔵が指定を受けています。 」

──日本酒造りへの技術・こだわりとは

「霊峰白山を流れるミネラルを適量に含んだ仕込み水と、熟練した能登杜氏の技で、人口酵素剤を一切使用せず、雑味のないキレイな味わいに仕上げています。

2001年には、より美味しいお酒造りを目指し、白山連峰の敷地内で伐採した杉材を使用した『森の吟醸蔵 白山』を竣工。蔵全体で温度管理ではなく、それぞれの醸造タンク単体で熟成できる最新技術を駆使した機材を使用する一方で、全量手造り麹にこだわるなど、最新のテクノロジーと匠の技を融合させて、日々品質向上に努めています。」

──受賞した各銘柄の飲み口や特徴について

「ヨーロッパでは同じ醸造酒としてワインがメジャーですが、日本酒はワインに比べて3~4度アルコール度数が高いので、ワインを嗜む方にも抵抗がないように度数を少し下げ、飲み口をよりキレイに仕上げました。一方で本来のお米の旨みや風味を失わずにアルコール度数を調整するのに苦労しました。

純米大吟醸部門 金賞受賞

「白山純米大吟醸」

「白山純米大吟醸」は、兵庫県三木市口吉川特A-A地区産「山田錦」を100%使用し、梨や桜の花のような穏かな吟醸香と清々しいミネラル感が特徴です。

お祝い事などの日々の特別なシーンで、和食に限らずフルーツサラダやカルパッチョなどの洋食とも合わせてお楽しみいただければと思います。

純米部門 金賞&デザイン金賞

「石川門純米(欧州仕様)」

「石川門純米」は、地元石川県で開発された酒米「石川門」を100%使用しています。精米歩合70%の低精白ながら、すっきりとした雑味の少ないキレイな味わいが特徴です。

日々のお食事に合う一本に仕上げています。洋食では特にサーモンマリネとの相性をオススメいたします。

純米大吟醸部門 金賞受賞

「白山 純米大吟醸」

「加賀梅酒」は、北陸産の「紅映梅」を使用しており、日本酒と同じ霊峰白山の伏流水で仕上げた、濃密な梅の旨みとキレの良いクリアで上品な飲み口が特徴です。毎年6月の仕込みの時期は社員総出で梅の実のヘタ取りを行い、2年間じっくりと熟成させることでこの美味しさに到達します。

オンザロックや炭酸割り、カクテルなどさまざまな飲み方でお楽しみいただけます。和食はもちろんのこと、餃子といった中華料理から濃厚なフォアグラ料理などとも美味しくお召し上がりいただけます。」

──今後、目標にしていることや日本酒を通じて伝えたいこと

「今後は世界中の方々に楽しんでいただけるように、さまざまな料理との相性を模索し、日本酒と梅酒の新たな可能性を見つけていければと思います。」

雑味がなく、クリアな味わいからさまざまな食文化と相性が良いとされる日本酒。2013年に無形文化遺産に登録された和食に次ぎ、世界基準で愛飲される日もそう遠くはないだろう。イタリア・ミラノで認められた日本酒「萬歳楽(まんざいらく)」。今後の世界への展開に注目したい。

萬歳楽

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