米国小説家ロバート・B・パーカーの人気ハードボイルドシリーズ「スペンサー」がマーク・ウォールバーグ主演で映画化。Netflixで2020年3月6日から公開されている。

正義感溢れるばかりに上司を半殺しにしてしまい5年間の刑務所生活を科せられた元警察官スペンサーが、黒人格闘家のホークを相棒に、警察の汚職事件の解明に挑む。
パーカー オリジナルよりも、かなりポップでコミカルな印象になっているのは、原作者のパーカーの死後にシリーズを引き継いだエース・アトキンスの作風を基にしているためとのこと。

マーク・ウォールバーグ主演『スペンサー・コンフィデンシャル』予告編 - Netflix

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ストーリー

主人公のスペンサーは元警官。正義感が強く一本気な男だが、ある殺人事件の捜査方針に違和感を持って上司と衝突し、殴打してしまったことから、5年間もの刑務所生活を余儀なくされ、警察からも追い出されてしまう。

出所後は、長距離トラックの運転手としてのセカンドライフを目論んでいたスペンサーだったが、かつて自分が殴ってしまった上司が変死を遂げ、その影に大きな汚職事件が潜んでいることに感づいてしまったことから持ち前の正義感に火がつき、長期の不在の間に彼のアパートに住み着いていた、格闘家を志す若い黒人ホークと共に、スペンサーは(ライセンスを持たないまま)私立探偵として捜査を始めてしまうのだった。

軽くて消費しやすいコメディタッチのアクションムービー

日本でも知名度の高い人気俳優マーク・ウォールバーグを起用しての映画化。
不正や冤罪に苦しむ者を放っておけない正義漢スペンサーを、持ち前の熱量の高さで好演。
映画の完成度自体は、やや粗っぽくて、それほどハラハラドキドキさせられるほどではないし、スペンサーシリーズに期待するハードボイルドなムードは(前述の理由があるのだが)ほとんど感じられず、軽くて明るい作りになっている。主人公を演じるのがウィル・スミスあたりなら、それでいいと思わされたかもしれないが、マーク・ウォールバーグにはそこまで観客に納得感を与えられるほどの陽気さはまだない気がした。

とはいえ、気楽にアクションを楽しむには、作りにしても、110分と2時間を切る短めの尺にしても、ちょうどいいと思わせてくれる作品にはなっている。
家で気軽に時間を潰すには、上出来すぎる一本、と言えるだろう。

ちなみに、洋楽ファンにはポスト・マローンがスペンサーと絡む囚人役として出演していることも、誰かに話しやすいネタの一つになるはずだ。

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。