1時間に1件 銀行強盗事件が発生するという犯罪都市ロサンゼルスを舞台に、特殊部隊出身の銀行強盗団と郡の重犯罪特捜班の闘いを描いたクライムアクション映画。『300 <スリー・ハンドレッド>』のジェラルド・バトラー主演。

犯罪者と刑事の 真っ向勝負

2018年公開のクライムアクションだが、日本でも公開されたもののあまり話題にはなっていないようだ。
ジェラルド・バトラー演じる荒くれ刑事率いる重犯罪特捜チームと、重火器を用いる強盗団の対決を丹念に追うクライムサスペンスだが、その昔 職業的強盗団のボス(ロバート・デ・ニーロ)と刑事(アル・パチーノ)の闘いを描いた傑作『ヒート』を思い起こさせるようなスリリングかつ男臭い演出になっている。

ヒート(プレビュー)

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『ヒート』でもそうだったが、犯罪者と刑事が互いに面識があり、追われる者は追う者を、追う者は追われる者のことをよく知っている。そのうえで互いにプライドを賭けて闘いに向かうのだ。
相手を避けることをせず、敢えて対決を選択するわけだが、強盗団側も、海兵隊出身のプライドから余計な殺傷を避けることを自らに課しており、残虐さや悪辣さとは無縁。その結果、刑事側と犯罪者側のどちらに感情移入するか、観ている者を迷わせることになる。

激しくリアルな銃撃戦も見もの

本作は日本では振るわなかったようだが、世界的に見ると、そこそこの興行成績を得たらしく、続編の企画が進んでいるようだ。

実際、先述の如く『ヒート』に似て、強盗団を追う側のニックの破綻寸前の家庭環境や、その描き方によって浮かんでくるニックの人物をじっくり説明しているし、対する犯罪者側のキャラクターも丁寧に描いていて、時間をかけて仕上げた脚本や演出方針を感じさせられて、続編を作れるだけの伏線や下地ができていると思える。

そして、その最大の証左であり見どころであるのは、クライマックスの銃撃戦の描き方だ。それほど金をかけられなかったという現実的な理由があるのかもしれないが、特捜チームと強盗団の銃撃戦は荒唐無稽な派手さがない代わりに実にリアルでスリリング。
あくまでもハードボイルドなモードの演出は、それまでの抑えた展開をそのまま引きずっていながら、ちゃんとカタルシスを与えてくれる優れたものだ。

ある程度好き嫌いは分かれると思うが、僕はアリと感じた。皆さんはいかがだろうか。

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。