年間100本以上の映画作品を鑑賞する筆者の独自映画評。毎回観終えるたびに“もう二度とニコラス・ケイジ作品は観ないぞ!”と誓うのだけどうっかりまた観てしまうのだが、今回の『マンディ 地獄のロードウォリアー』こそは確実にこの誓いを守らせてくれるだろう作品だ。

『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』予告編

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カルト集団への復讐に燃える男の話、なんだけど・・・

本作は徹頭徹尾 カルト的というかサイケデリックというか、非日常的な異時間に棲む人たちを描いた作品だ。
ストーリーは、森林の中の湖畔に住む夫婦がカルト教団に襲われて、妻(彼女がマンディ )は惨殺、放置された夫(ニコラス・ケイジ)がその復讐に駆り立てられる、というまあよくある設定なのだが、カルト集団の中の教祖や信者の生態や、マンディ の拉致から殺害に至るまで、これでもかとばかりに異様な信仰に取り憑かれた人たちの粘着的な行為が丹念に描かれる。

この粘度はストーリーを追うごとに執拗になっていき、LSDでもキメているかのようなおどろおどろしいカラーと粗い画面の中で、観ている我々を寒天質のプールで溺れているかのような息苦しさに引き込んでいくのである。

正直いって、スピード感とか爽快感はゼロ。
本作に高い評価を与えている人がわりといることが衝撃で、そういう人とは一生関わり合いになりたくないと確信できるレベルだ。

不思議なのは、ニコラス・ケイジって、そこそこの知名度と映画人としては最高ともいえる血縁を持っている人のはずだけど、どうしてこの手のB級映画に主演したがるんだろう??

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。