(ちなみに、ダイアナら女族アマゾネスの最強の戦士アンティオぺを演じているのは、『ハウス・オブ・カード』のクレア・アンダーウッド役のロビン・ライト)
願いを叶える代わりに代償を要求する“猿の手”が引き起こす世界滅亡の危機
本作の見所として公開前から話題になっていたのは、前作で死んだはずのワンダーウーマン=ダイアナ・プリンスの恋人スティーブ・トレバーを演じるクリス・パインと、TVシリーズのワンダーウーマンでヒロインを演じたリンダ・カーターの出演があるという噂。
リンダ・カーターはともかく、前作で死んだトレバーを 本作の時代設定である1984年にどうやって甦らせるのかという疑問もしくは好奇心が、本作への興味を呼んでいたと思うが、そこはまさしく本作の主たるテーマそのものであり、ストーリーのキモに繋がるものであった。
本作は、超人たる素顔を隠して スミソニアン博物館の学芸員として働くダイアナが、とある宝物(ほうぶつ)と接触してしまうことから始まる。この宝物は、古代神が遺したものであり、どんな願いも叶える代わりに相応の代償を要求する、いわば猿の手のような魔力を持つ代物だったことから大きな騒動が沸き起こる。
人間が持つ昏い欲望は底知れず、自分の願いを叶えたいと考える多くの人々が、この宝物を手に入れようとする。その結果どんな代償を支払わされることになるかを考えもせずに・・・。
今よりも幸せになりたいと願うことは浅ましいことか?
本作では、第一次世界大戦下を舞台としていた前作から数十年経った1984年に生きるワンダーウーマンが、新たに発生した大事件から世界を救う様を描いている。
前項に書いたように、人類を滅ぼしかねない事件を引き起こすのは、自分だけは幸せになりたいと願う人間のささやかだが身勝手な祈りなわけだが、人とは異なる神的な存在であるはずのワンダーウーマンにして 世界の平和よりも優先したい“利己的な”願い事がある。そして、その願い事を放棄することは、実に難しい。
幸せになりたいと願う想いはどんな人間にもあると思うし、それは決して悪いことではないと確信するが、その結果他者を巻き込むような不幸をもたらすとしたら、そんな代償付きの願い事はしてはならないか?
理屈では即座にYESと言えるだろうが、なかなか現実には難しい判断を迫られそうな、「猿の手」同様に 本作は心理的ホラーの要素を持つ作品になっている。
ガル・ガドットの美しさは健在!!
streetcore コロナ禍にあって、本作の興行収入はかなり苦戦しているらしいが(実際、僕が観た劇場でも、最新の映画館でありながらガラガラだった)、ヒーロー映画(DC作品)とすれば、なかなかに良く仕上がっていると僕は思った。
(2020/12/31追記)世界的に見ると興行成績は上々らしい!よかった!
主演のガル・ガドットのワンダーウーマンの美しい肢体は相変わらずだし、アクションも良い(ただ、格好良さだけでいうと、『ジャスティス・リーグ』の彼女の方がキレが良いというか見栄えのある演出だったように思えたが)。
僕が長身でスタイルの良いお姉さん的美女が好みであるということを差し引いても、お世辞抜きにガル・ガドットのワンダーウーマンは最高にクールだ。彼女を大画面で観るだけでも価値があると思うので(本作でガル・ガドットのワンダーウーマンを見納めにならないように)、こんな時期ではあるが、できる限り劇場に足を運んでもらいたいと願わずにはいられない。
小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。
ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。