「メイズ・ランナー」のディラン・オブライエン主演のSFサスペンスアクション。
オブライエンがヘタレな若者を演じ、世界の終末ながら全体的にコメディタッチで描かれている。

絶望的な環境ながら明るさを失っていない作品

本作は95%の人類が死滅してしまった後の地球を描いたディストピア作品ながら、全体的にはポップで明るいムードで進む、陽気な作品だ。

人類がなぜ絶滅の危機に瀕し、文明がなぜ失われたかは、手書きイラストのプレゼンテーション風な動画でサクサクっと描かれる。 (僕はその昔に流行った「Blogs in Plain English」を思い出した)

簡単にかいつまんで説明すると、巨大小惑星の衝突を避けようと破壊したら、未知の化学物質が降ってきて、さまざまな生き物が怪物化して、人間を食べてしまった、という感じだ。

Blogs in Plain English

youtu.be

そんな中、生き残った僅かな人間達は、シェルターや塹壕の中(これらをコロニーと呼んでいる)でひっそりと暮らしており、乏しい電力と食糧を分け合ってなんとか生き延びている。主人公の青年ジョエル(オブライエン)もその中の1人だったが、7年前に始まった人類の滅亡劇の最中に生き別れた恋人エイミーが 自分たちから130キロ離れた別のコロニーに暮らしていることを知り、彼女に会いに行くことを決意、モンスターがウヨウヨいる地上に出てエイミーの元に向かうというストーリーだ。

エイミー役はジェシカ・ヘンウィック。「アイアン・フィスト」のヒロインを演じたイギリス出身の女優だ。

諦めるな。頑張れ。
それが言いたいだけの作品。

前述のように、本作は世界の終末を舞台としていながら、全体としてとても陽気で明るい内容になっている。

主人公のジョエルはモンスターを前にするとフリーズしてしまうようなヘタレながら、離れ離れになった恋人や 自分を愛してくれる仲間たちのためになけなしの気力を振り絞れるだけの勇気と根性は持っている。と、いうか、誰か他の相手のことを気にかける優しさと、ちょっとやそっとではへこたれない芯の靭さがある。だから常に明るく振る舞えるのだ。

彼の明るさが(とは言っても、エイミーを含む彼以外の他のキャラにも、メソメソしたり絶望に身を任せてしまうようなヤワな者はいないのだが)絶滅しかかっている人類の姿を描きながらも、暗くならず陽気な雰囲気で観ていられる要因になっている。

どんな苦しい状況になっても、決して諦めるな。弱音を吐いている暇があれば立ち上がれ。頑張れ。
それが本作のメッセージであろうと思う。

がんばろう。

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。