年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ観るべき または観なくてもいい?映画作品を紹介。
チェリストを目指す優等生の少女マリーと、彼女が抱える秘密と苦悩を知り彼女を支えることを決意する少年ヴィクトールの、淡く可愛らしい恋を描いたフランス映画。

幼い2人の拙い恋を、そのまま受け止めて

正直、本作を一つの映画作品としてみれば、拙さというか、不可思議な演出やシーンが多々あって、それほど出来がいいとは言い切れない。論理が成立してない≒伏線だけ敷いて回収しない?ようにも思えるのである(総じてフランス映画はそういうものかもしれないが)。

だが、それはそれとして、2人の少年少女が恋して無茶な行動をする、その稚拙な恋愛は ひどくぎこちなくて、意味不明でいいのではないか?
落ちこぼれで貧乏な少年と、裕福だが病気を抱える薄幸の美少女の恋。よくある話だし、日本でも漫画や小説の題材としてよく使われそうな設定だが、味付けの仕方によって物語はどうにでもなる。作品の不器用さは横に置いて、ヴィクトールとマリーの淡く不器用な恋を、余計な大人の算段ぬきに見守ってあげればそれでいい、そんなふうに思えたのである。

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。