International Watch Company(IWC)
ドイツ語圏でもあるシャフハウゼンに拠点を置くスイス企業。社名が英語名なのは、アメリカ人のフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズにより創設されたことに由来する。彼はアメリカの自動化による生産技術とスイスの伝統的な時計作りの融合を目指し1868年にIWCを創業。1936年にパイロットウォッチ・マークIX(2019年現在はマーク18)の登場で多くのパイロット支持を獲得。後継モデルがイギリス空軍に採用されるなど、パイロットウォッチ=IWCというイメージを確立した。
商人が求めた高精度時計
時代を超えて愛される洗練されたデザイン、長期使用に耐えうる基本設計、永久修理保証による高い信頼性と、日本はもちろん世界中のユーザーに愛されるIWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)。同ブランドからは、本連載Vol.15にてインヂュニアを紹介したが、今回セレクトしたのはIWCの代表作であり、そのキャリアの礎を築いたともいえるポルトギーゼだ。
懐中時計を腕に巻く⁉︎
航海中の船揺れや温度変化に影響されない高精度の腕時計が欲しい──1930年代、とあるポルトガル商人のしたこの注文に端を発するのがポルトギーゼ。
IWCはこの注文に対し、当時すでに確固たる信頼と歴史のあった自社製の懐中時計用ムーブメントを搭載した腕時計を製作。精度は申し分ないものの、そのサイズは当然大型に。
現代ではどのブランドを見ても“デカ厚”時計が主流なのは明白で、ポルトギーゼを見てもなんら違和感もないが、IWCが同モデルを発表した当時はこの“デカ厚”という言葉すらない時代。
いまの時計と比べ小さい時計が主流であり、その存在はまさに“異端”。そのため、当時は市民権を得ることはできず、発表から約30年で生産を停止している。
異端から正統へ
創業から125年目となる1993年。35年の沈黙を破り、ポルトギーゼは限定生産で復活。初代モデルに搭載されていたムーブメントをベースに、裏蓋から機構を見ることができるサファイアガラスのシースルーバックを搭載。潮流も相まって、その後多くのユーザーから認知されたことにより、IWCを代表するシリーズへと成長した。
ポルトギーゼ75周年記念モデル
今回ムーンフェイズ銀座店がセレクトしたポルトギーゼは、2016年と比較的最近発表されたものであるが、現行シリーズとは一線を画したアニバーサリーモデルだ。
その最たる特長は、IWCのロゴ。現行モデルはすべて「IWC」表記であるが、本モデルは「International Watch Company」と表記。これは1930年代に製作された初代ポルトギーゼをモチーフとしているためで、文字盤外周のレイルウェイ分目盛り「シェマンドフェール」や、スモールセコンドといった当時のデザインを踏襲。
そこに飛びアラビアといったオリジナリティを加え、よりレトロでシンプルなデザインに仕上げている。
ポルトギーゼ ハンドワインド 8DAYS 75th アニバーサリー
品番:IW510205
素材:SS(ステンレススチール)
サイズ:縦43㎜×横43㎜
ムーブメント:手巻き
文字盤:ブラック
販売価格:795,000円(税込)※USED
国内参考定価:1,166,400円
※ポルトギーゼ生誕75周年記念モデル・世界750本限定
【付属品】
外箱、内箱、保証書(2016年1月)等が付属
※価格は2019年11月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
ポルトギーゼシリーズは、現行のモデルになるほど近代的なデザインになっており、レトロな雰囲気を欲している方にとっては今回の75周年記念モデルはこの上ない1本と言えます。
とはいえ、サイズは当時のものより少し大きくなっており、現代のファッションにもとてもマッチ。
ハンドワインド、つまり手巻きモデルにはなりますが、8日間のロングパワーリザーブとなっており、非常に使いやすいです。今でいうデカ厚に相当しますが、その上品さからビジネスシーンで日常的に着けていてもなんら不自然ありません。
世界でも750本しかありませんから、自分だけの1本が欲しいという方にはとてもオススメしたい1本です。
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://www.moon-phase.jp/ |