ファッションの一部として着用することも多いサングラスは、アパレル店などで棚に飾られたものを買っておしまい……という人がことのほか多い。しかし、メガネ同様にサングラスは一人ひとりに合う合わないがあるもの。自分にとって最高の一本を手に入れるためには、正しいサングラス選びが必須だ。そうして選んだサングラスは、それこそ一生モノとして愛用できる。ここでは各業界のプロ達が実践している“正しいサングラス選び”を解説していこう。

【案内人】
和真メガネ・新宿ANNEXの店長を務める神崎邦明氏。豊富なメガネ知識から、ユーザーにぴったりのメガネ・サングラスを見つけてくれる。

サングラスの正しい選び方とは

視力矯正のためにメガネを作る場合、眼鏡店でフレームとレンズを選び、自分の顔に合わせて調整してもらうのが一般的だろう。

ところがそれがサングラスになった途端、デザインが気に入ればOK……という方が実に多い。あくまでもファッションの一部であり長時間掛けることはない、という場合は問題ないが、もしドライブやスポーツシーン、日常使いでも長時間掛ける場合は、選ぶ際にしっかりと見極めておきたい点は多い。

ここでは、国内でも数少ないサングラス専門店である新宿ANNEXの店長・神崎氏に、サングラスを選ぶ上で抑えておきたい選び方のコツを教えていただいた。

まずは見た目のバランスをチェック

サングラスを掛けた際にまず見るべきは「眉毛とフレーム間の距離」だと神崎さん。

「サングラスはメガネレンズと違い色が濃いため、顔に掛けたときの存在感は無色透明であるメガネの比ではありません。そこで注意してもらいたいのは、フレーム上辺と眉毛の距離です。ここが詰まっているほど自然に、隙間が開いているほどバランスが悪く見えます。カッコよく掛けたい方はまずはここに注目してみてください」

眉毛とフレームに大きく隙間があり、端から見えていてついつい眉毛に目がいってしまう

フレーム上辺と眉毛の位置が揃っており、非常にバランスがいい

上記写真を見てもわかるように、左はバランスが悪く眉毛が悪目立ちしてしまっている。右写真のように眉毛が隠れるか、その隙間が狭いほどサングラスと顔のバランスはよくなるのはだ。

メタル&セルフレームで変わること

「サングラスのフレームは、金属製のメタルフレーム、樹脂製のセルフレームに分けられます。メタルフレームはレンズの形を活かした形状が多く、レンズをネジで留めるためレンズ交換も容易です。セルフレームは、デザイン性に富んだものが多くファッションとしての選択肢が非常に豊富。ただレンズをはめ込んで留める構造になるのでモノによってはレンズ交換が難しい場合もあります」

掛けたときの重さにも注目したい。素材自体に強度のあるメタルは、ある程度細く作ることができるため、非常に軽いものが多い。対してセルフレームは、強度を出すためには素材量が必要になるため、メタルフレームと比べ少し重くなる。(同量であればメタルのほうが重い)

上記はデザインによるところが大きいものの、知っておけば自身の好みによってある程度サングラスを絞ることができる。商品を選ぶ際は意識しておくといいだろう。

鼻当ての必要性

サングラスの掛け心地に直結するパーツが鼻当て(鼻パッド)である。この高さによって、掛けたときの位置やホールド力が決まる。メタルフレームのものは、そのほとんどに独立した鼻当てが装備されているが、セルフレームのものになるとフレーム一体型が多くなり、その形状もさまざま。

鼻当ての高さはサングラスによって異なる。実際に掛けてみないとその良し悪しはわからない

「写真をみてもらえばわかるように、鼻当ての高さはモノにより違います。鼻の高さや長さは個人個々で異なりますから、鼻当てが低いものでもしっかりホールドできる人もいれば、ずれ落ちてくる人もいます。ここでもっとも良くないのは、鼻当てが鼻に当たらず、耳やこめかみだけでホールドしているパターンです」

そうなると、一見フィットしているように見えても、時間が経つとこめかみが痛くなってきたり、メガネが下がってきたり……。

「まず掛けたときメガネが鼻にちゃんと乗るか?をまずは確認してみてください」

レンズカーブによる見え方の違い

一般的にはあまり意識されていないポイントのひとつにレンズカーブが挙げられる。これは文字通りレンズが描く曲線のことで、レンズカーブがきつくなるほど、より顔に密着し遮光性が増す。しかし、歪曲したレンズは手元や足下を見た際に歪んで見えることがあり、細かい作業を伴うようなシーンでは注意が必要だ。カーブのきついレンズはどちらかといえばスポーツモデルに多い傾向だ。

逆にカーブが緩いものはファッション性を重視したモデルに多く、フレームへの汎用性も高い。顔からレンズが離れるため遮光性は減るものの、どんなシーンでも安定した掛け心地を実現してくれる。

もしサングラスのレンズに度を入れる場合は、できるだけメガネに近い、カーブの少ないタイプがオススメ。

ちなみにサングラスの場合、カーブの緩いものから4カーブ・6カーブ・8カーブと表記される。

カーブがきつくなるとよりスポーティーな印象に。シーンに合わせて使い分けたい

海外ブランドは調整が必須?

旅行先や海外ブランドのショップで気に入ってたサングラス、いざ掛けてみたらこめかみに食い込んでしまったり、鼻の位置が合わなかったり……これは欧米人とアジア人の顔・頭の形が大きく違うからにほかならない。

アジア人の多くに共通しているのが、細面の人も丸顔な人も、頭を上から見たときは丸形が多いということ。対して欧米人の多くは偏平で細長い。そのため海外ブランドはメガネの足が真っすぐで幅の狭いものが多い。日本人は頭が丸い分、欧米人と比べてこめかみの幅が広いため海外モデルをそのまま装着すると締め付けがきつい…となってしまいがち。

欧米人とアジア人では頭・顔のつくりが異なるため、フィットさせるためには調整が必要だ

もちろん、海外ブランドの製品でも調整次第では快適に付けられるものもある。最近ではアジア人向けの専用シリーズを用意しているブランドも。もしそのブランドが気に入ったのならまずはそうしたシリーズをチェックしてみることをオススメする。

フィッティングがもっとも重要

サングラスを支えているのは、鼻当て・こめかみ幅・耳のうしろの3点であり、ここのバランスが取れるほどより自然な掛け心地になる。これに関しては、個人での調整は難しくプロに任せるのが無難。日本の眼鏡店では、どこでも基本無償でフィッティング(調整)してくれるためぜひ利用していただきたい。

また、新宿ANNEXでは他点で購入したサングラスの調整も行ってくれる。もしお持ちのサングラスに気になる点がある場合は、一度足を運んでみてほしい。
※フレームによっては調整できないものもあります。

調整の一例(耳のうしろ)

一見してバランスがいいように見えるが、よく見れば耳にツルがかかっていない。これは自分ではなかなか気づかないもので、しばらく装着しているとだんだんとサングラスがずれ落ちてくる

メガネのツルの長さ、耳にかかる位置ともにちょうどよい。写真のようにバランスが取れていれば、サングラスを長時間掛けていても、耳・こめかみ・鼻が痛くならない