ROGER DEBUIS
複雑時計に造詣が深く、誉れ高き時計師であるロジェ・デュブイ氏と才能溢れるデザイナーのカルロス・ディアス氏によって、1995年にスイスのジュネーブで設立されたマニファクチュールブランドがROGER DEBUIS(ロジェ・デュブイ)である。「スイス・ジュネーブでの伝統に立脚した芸術的な時計設計」をコンセプトに、すべてのムーブメントでジュネーブ・シールを取得し、さらに全モデルを数量限定で手作りするなど、独自の美学を貫いている。
過去の作品に敬意を。
ロジェ・デュブイといえば「エクスカリバー」という方も多いことだろう。当連載でも、これまで3本(1本は特集記事)のエクスカリバーを紹介してきた。
初期のモデルでも若干尖った印象のあったエクスカリバーだが、近年ではその技術を見せ付けるかのようなスケルトン仕様がコレクションに並び、ランボルギーニやピレリといったモータースポーツとのコラボレーションにより、これまた過激でイケイケなモデルが多数追加されている。
そんな派手なモデルを展開し続けるロジェ・デュブイだが、今回セレクトしたのはエクスカリバーとは真逆の、非常に落ち着いたモデル・オマージュ。
これは同ブランドが創設初期に展開していたもので、現行モデルにはないクラシカルな要素が魅力のコレクションである。
オマージュ(尊敬・敬意)の名称通り、このコレクションは、ロジェ・デュブイ氏が時計史に刻まれた過去の逸品(主に1930年代のもの)にインスピレーションを得て作り上げたものであり、ブランドとしてのエッセンスは加えつつも、往年の名作達を感じさせる仕上がりのものが多い。
ロジェ・デュブイがリシュモングループの傘下に入った折に同コレクションは廃盤(後に新生するものの現在は廃盤)となるのだが、全モデルとも限定生産という希少性も相まって、非常に人気の高いモデルが揃っている。
ちなみに紹介しているH37だが、同じ名前でも文字盤のデザイン違いやケースの素材違いなど、いくつかのタイプが存在する。ここで紹介しているデザインが気に入ったからといって、同じ名前で探しても違うタイプになる可能性があるので、ご購入の際はご注意を!
この個体の特長とは?
さて、今回紹介する時計の特長を解説していこう。
まず目に飛び込んでくるのは、美しい光沢と立体感を持った文字盤。これは薄く吹いた塗料を乾燥させ、それを幾度も繰り返して完成させるラッカーダイアルと呼ばれるもの。
そして、クサビとローマンの混合インデックスもアップライト(アプライド)となっており、視認性も抜群だ。
裏面のローター部分には、ロジェ・デュブイの初期のロゴが配置され、数々の時計ブランドの心臓部として活躍してきたレマニア社のムーブメントが顔をのぞかせる。(現在のロジェ・デュブイは自社ムーブメント)
このムーブメントはツインバレル構造となっており、ゼンマイを収めるバレル(日本語では香箱)が2つ搭載されている。ゼンマイを2つ使うことで、駆動時のトルクが均一になり時計の精度も安定。さらにパワーリザーブも長くなるため、そのポテンシャルは非常に高いといえる。
裏面で楽しめるのはムーブメントだけではない。ガラスをよく見ると、なにやら模様が刻まれることに気づくだろう。
これはローター部分に配置された初期のロゴを模様として刻んだものだ。本モデルにはローター、裏面ガラス、リューズにロゴが配置されている。このロゴは現在では使われておらず、ファンの間では非常に人気のある意匠となっている。
世界に28本しかない逸品。手にするのはアナタかもしれない
H37は多数のタイプがあり、どのモデルが市場に出回るかは運次第。
もし記事を見てこのモデルが気に入ったのなら、急いだ方がいいだろう。この機会を逃したら、もう2度と出合うことはないかもしれないのだから。
ROGER DUBUIS オマージュ
品番:H37 57 5
素材:PG(ピンクゴールド)
サイズ:縦37㎜×横37㎜
防水:日常生活防水
ムーブメント:自動巻き
文字盤:アイボリー
販売価格:685,000円(税込)※USED
世界限定28本
【付属品】
なし
※価格は2020年5月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
オマージュはいまでも非常に人気のあるコレクションのひとつです。クロノグラフモデルを探している方が多いのですが、なかなかどうしてこの3針モデルもシンプルで美しいと思いませんか?
H37の「37」とはサイズを表しており、ほかに34㎜、40㎜のモデルもございます。昨今の傾向からついつい大きいモデルを求めてしまいがちですが、37㎜のケースはとてもバランスがよく、腕周りの太さに左右されずに着用できます。
ケースも薄くジャケットのカフスに収まるので、スーツスタイルが多い方などにとてもオススメしたいサイズ感です。
さて、エクスカリバーをはじめ、現行モデルのムーブメントは自社製となっておりますが、本モデル発表の2000年以前は、レマニア社のムーブメントをベースに自社用にカスタムしたものを使っていました。
レマニアベースのムーブメントは、オメガ、パテックフィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、パネライ、ブライトリング…などなど多数のブランドでも採用されており、信頼度は抜群! 現在レマニア社はブレゲのムーブメント製造部門として吸収合併されていますが、その功績はいまでも高く評価されています。
シンプルでドレッシー、かつ時計としての信頼度も高く、希少性もある……ステータスとしては値段以上の価値がある1本と言えます。
これを逃すとこの個体は2度と市場には出ないかもしれません。お問い合わせいただければお取り置きも可能ですので、ぜひ気軽にご連絡くださいませ。
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 12:00〜17:00 |
定休日 | 日曜日 |
公式サイト | https://www.moon-phase.jp/ |
※新型ウイルスによる感染拡大防止のため営業時間・定休日を変更しております。詳細については公式サイトをご確認ください。