パテック・フィリップ グランド・コンプリケーション Ref.5040R-010「最高たる所以」【今週の逸本 Vol.109】

頂に立つブランドが手がける芸術品

閏年にも対応し一切の調整を必要としないパーペチュアルカレンダー、姿勢差を打ち消すトゥールビヨン、月齢を表示するムーンフェイズなど、機械式時計の歴史の中で「複雑機構」は多数生まれてきた。これら機構を搭載した腕時計は「コンプリケーション」と呼ばれ、機構の有無だけでその金額差は数百万にものぼる。

そんな高嶺の花ともいえるコンプリケーションウォッチの中には、1本の腕時計に“複数”の複雑機構を搭載したものがある。それがグランド・コンプリケーションだ。

今回セレクトしたのは、パーペチュアルカレンダー、ムーンフェイズ 、24時間表示機能を搭載した究極の1本。パテック・フィリップの『グランド・コンプリケーション Ref.5040R-010』をご紹介する。

搭載されている複雑機構は下記の通り。

まず文字盤の3時位置に搭載されたインダイヤル、これがパーペチュアルカレンダーの表示だ。

ダイヤル内の外側にはMonth表示、内側には閏年を記載。パーペチュアル（＝永久）の名の通り、時計本体が動いている限りは基本的に調整は不要である。

6時位置には月齢の分かるムーンフェイズを配置（ダイヤルの外周にある数字は日付）。月の満ち欠けが視覚的に表示されているので、日々違う表情が楽しめる。

9時位置のダイヤルは、外側が曜日表示、内側が24時間表示になっている。

インダイヤルの調整は2時側、6時側、9時側にそれぞれ配置されたプッシュボタンで行う仕組みだ。

世界最高ブランドの技術力

複数の複雑機構を搭載するということはそれだけ部品数が多くなるということ。時計自体が大きければそれも比較的容易かもしれないが、本モデルのケースサイズは35mmで厚みもない。

これだけ小ぶりな時計でグランド・コンプリケーションを作ってしまう……これが世界最高の時計ブランドと呼ばれる所以だろう。

もちろんただ形にしただけではない。ひとつひとつのパーツ表面に施されたエングレービング、随所に配置された赤い穴石によるコントラストは目を見張る美しさだ。

時計としてみるか、芸術品としてみるか……なかなか悩ましいところだが、いつか自分の腕に巻いてみたい。そう思わせてくれる至高の1本である。

MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜

「いつか手にしてみたい」。そんな夢を持っていらっしゃる時計ファンの方も多いのではないでしょうか。

このグランド・コンプリケーション、新品で購入しようと思うと一千万を超えるというとんでもないお時計です。ただ今回のモデルはUSED。そのお値段は約半額と現実的（？）なものになっています。

夢の時計があなたの目の前に。 当時は買えなかったけどいまなら……なんて方はぜひ実際にお店で手にしてみてください！

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