パテック・フィリップ コンプリケーション ワールドタイム クロノグラフ 5930「待望のクロノモデル」【今週の逸本 Vol.191】

80年越しに作られたワールドタイム×クロノグラフ

文字盤外周に配置された国名と、その下のリングに書かれた時刻表示を見るだけで、世界の時が一目で分かる腕時計『ワールドタイム』。当連載では過去にも同コレクションのタイムピースをご紹介してきた。（詳細はこちら）

今回セレクトした1本は、ワールドタイム機構にクロノグラフ機構がプラスされたコンプリケーションモデル。『ワールドタイム クロノグラフ 5930』だ。
※コンプリケーション：複雑機構を搭載した機械式時計のこと

1930年代の誕生以降、ワールドタイムコレクションはさまざまなバリエーションのモデルを展開してきた。しかし、ワールドタイムとクロノグラフの組み合わせは1940年代に創作されたユニークピース（世界に1本しかない腕時計）のみ。つまり、コレクションへの正式な追加は本モデルが初である。

1940年代当時のメカニズムと比べ、2つの機構はより複雑になっており、その統合は困難であったというが、世界最高の時計ブランドとしての矜持と、それを支える技術力によって、コレクターやファンが熱望したモデルがついに登場したわけだ。

文字盤中央は手仕上げのギヨシェ彫り。一見すると放射状に広がっているように見えるが、実は円が重なり合っており、角度によって違った見え方が楽しめる。

6時位置にあるインダイヤルは30分積算計。ホワイトゴールドの縁に囲まれた盤内には、メインダイヤルとは異なる装飾が施されており視認性も高い。

文字盤外周には24カ国の国名が記載されており、その下の時刻表示リングで各国の時間を確認する仕組み。過去のモデルでは「HONG KONG（香港）」だった場所は、現行モデルでは「BEIJING（北京）」に変更されている。

装いも機能もステータスも最高峰。
世界を飛び回るなら、ぜひとも相棒にしたい1本である。

MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜

これまでの『ワールドタイム』はドレッシーさが強く、全体的に落ち着いたデザインでした。それもあって、少し年齢が上の方向けなイメージを持っていた方もいるかもしれません。

今回ご紹介しているモデルを見ると、クロノグラフでスポーティさが加わったことで、時計自体が若返った印象です。スーツスタイルはもちろんですが、よりカジュアルな服装でもマッチすると思います。

『ワールドタイム』は正規店でもなかなか手に入らない人気のコレクションです。定価はなんと900万円超え！でも当店のUSED品なら約800万で購入可能です。ここまでくると100万円の差は気にならないかもしれませんが……少しでもお得に手にいれるチャンス！ ぜひお店でご覧になってください。

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