パテック・フィリップ グランド・コンプリケーション パーペチュアルカレンダー クロノグラフ「天上の機械式時計」【今週の逸本 Vol.216】

雲上ブランドの中の頂点

数ある機械式時計の中でも、複数の複雑機構を搭載したものを「グランド・コンプリケーション」という。世界最高峰の時計ブランド、パテック・フィリップはかねてよりこのグランド・コンプリケーションウォッチを手がけており、当連載でも過去に2本のタイムピースをご紹介してきた。
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今回セレクトしたのは2023年9月現在、現行モデルとして展開している1本。永久カレンダーやムーンフェイズを搭載した『5270J グランド・コンプリケーション パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』だ。

では、本モデルの機能をご紹介していこう。
まずは、パーペチュアルカレンダー（永久カレンダー）機能だ。本モデルでは月、日、曜日、閏年の表示に対応。永久カレンダーのため日付調整の必要がなく、閏年もすべて時計が勝手に調整してくれる。（とはいえ手巻きモデルのため日々動力を巻く必要はある）

6時側にはムーンフェイズを搭載。月のイラストが描かれたダイヤルの外周には日付が並んでおり、小さい針でそれを指し示す形だ（ポインターデイト）。

7時位置にある小さい丸枠はデイナイト表示で、色で昼夜が視覚的に分かるようになっている。日中は白の表示で、午後5時頃から黒が徐々に増えていき、午後9時には黒一色に。AM・PMの表示ではなく、太陽が出ているか出ていないかを表示するものと思っていただきたい。

余談だが、時計のカレンダー調整には変更禁止時間というものがある。メーカーによって多少の誤差はあれど、ほとんどが午後8時から午前4時だ。本モデルでいえば、デイナイト表示が黒いときは調整しないと覚えておけば問題ないだろう。

本モデルはパーペチュアルカレンダー搭載クロノグラフモデルとして、初めてケース素材にイエローゴールドを採用したモデル。雲上ブランドのなかでも最高峰のコレクションに位置するものであり、クラシックウォッチの頂点といえる。

本モデルで、機械式時計の美を存分に楽しんでもらいたい。

MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜

雲上ブランドであるパテック・フィリップのなかでも、上位機種となるグランド・コンプリケーション。現在市販されているなかでは最上級の1本です。

こうした雲上モデルは、時計製造技術の継承を考え、その時代の技術の結晶として作られていたりします。それらは本数も限られ、なかなか目にする機会もありません。本モデルに関しては、ぜひ現物を見ていただきたいです。機械式時計の美しさを、きっと肌で感じることができると思います。

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