若手ホープを退けて実績を誇りたいベテラン対急成長中の若き強打者
サンタ・クルスは1988年8月10日生まれのメキシコ出身。オーソドックススタイルのボクサーファイターだ。
2012年にIBF世界バンタム級王座に就いて以来、WBC世界スーパー・バンタム級王座、WBA世界フェザー級スーパー王座、WBA世界スーパー・フェザー級スーパー王座を獲得。つまり、4階級制覇してきたベテラン王者だ。これまでに39戦して、37勝(19KO)1敗1分だが、スター選手との対戦が少なく、実績に比較するとそれほど高い評価を得ているとはいえない選手だ。
対するデービスは1994年11月7日生まれの米国出身サウスポー。上背こそ166cmと低いものの、マイク・ダイソンを彷彿させる回転の速いパワフルな連打を得意としており、これまでは23戦22KO無敗、なんと95%超のKO率を誇っている。さらに彼をプロモートしているのがフロイド・メイウェザーJr.ということもあり、スーパー・フェザー〜ライト級の最有力プロスペクトとして評価を受けている選手だ。
サンタ・クルスとしては、老練なテクニックでデービスを抑え込みたい。デービスとしてはいつもの通りのアグレッシブな試合運びでサンタ・クルスをマットに這わせたい。
長いキャリアがモノを言うか、勢いある若さが全てを圧倒するか。注目が集まった。
試合は下馬評通りでデービスが圧倒
大注目を集めた両者の激突だったが、結果はデービスが第6ラウンドに強烈なアッパーカットでサンタ・クルスをマットに沈めて堂々たるKO勝ち。
予想に違わず、鋭い踏み込みで一気に距離を詰めるデービスの打撃は容赦なく、サンタ・クルスはなすすべなく転がされ、意識を失った。
これでライト級戦線は、先日ロマチェンコ攻略に成功したテオフィモ・ロペス、ロンドン五輪金メダリストのルーク・キャンベルとの対戦を控えたライアン・ガルシア、そしてこのジャーボイテイ・デービスの3人のホープの三強の潰し合いの行方を見守る展開になってきた。
(ルックスではガルシア優位と思われるが、既に三団体統一チャンピオンとなっているロペス、そしてWBAタイトルを奪ったデービスが実績ではリード。いまだ無冠のガルシアがそれを追うという形だ)
小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。
ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。