元6階級王者のオスカー・デラホーヤ率いるゴールデンボーイ・プロモーションズとの契約を解除してフリー(として英国のスポーツ動画専用配信サービス DAZNと直接契約)になったボクシング界きってのスーパースター、サウル・カネロ・アルバレスが、自身が持つWBC世界スーパー・ミドル級タイトルを賭けて、対立団体であるWBA世界スーパー・ミドル級王者のカラム・スミスと激突した。

試合速報: アルバレスの判定勝利

スタンディングダウンはとらない(立ったままでのカウントをとることはしない)というルールで始まったこの試合、下馬評どおりカネロ・アルバレスがスミスを圧倒して、3-0の判定勝利を収めた。

オーソドックス(左手を前に出す、右利きの構え)の2人。長身のスミスに距離を遠くとられるのは厄介だ。アルバレスは両腕を高く堅く保ちつつ、いつものとおりアグレッシブに間合いを詰めては手を出す。
背の高いスミスは、射程の長いジャブとストレートを主体とした正攻法のスタイルでカネロを突き放そうと試みるが、カネロは構わずどんどん前に出る展開。

互いに強打の直撃はないが、ポイントでは攻め続けているカネロが抑えているようにみえる序盤戦だ。

カネロがタイソンと異なるのは、属する階級からすると背が低い部類に入る体型は同じながら、タイソンが一気に距離を詰めて踏み出しながらパンチを振るい、フットワークが拳を追いかけるような動きを武器にしているのに対して、カネロはむしろ確実に近づいてからしっかりと足裏で踏み込み反動を生かしながらパンチを出すところだろうと思う。もちろんどちらも近接距離での破壊力のある攻撃は巧みだが、混戦で打ち負けないのも、相手を下がらせるだけのプレッシャーのかけ方をするのもカネロの方だ。

スミスは必死に長い腕を振り回すが、カネロの前進を止めることはできず、あっさりと距離を詰められてしまう。近い距離だと自分の背の高さが逆に不自由さを生むので、スミスは屈むような体勢をしてカネロと頭の高さを合わせざるを得なくなる。その結果、カネロのパンチを顔に受ける回数が多くなるという悪循環に陥る。

お互いに強打のクリーンヒットは少なく、相手をぐらつかせるようなシーンもないのだが、徹頭徹尾カネロの攻勢が目立った試合だった。

KO勝利を遂げたゴロフキンに比べると地味な結果になったと言えなくもないが、僕の見立てでは、カネロは30歳にしていまだ強さのピークを保っているとみえた。

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。