日本人初の3団体(WBC WBA IBF)統一王座を狙う井上尚弥
日本の、いや世界のボクシング軽量級を牽引するスーパースターとなった井上尚弥。2019年11月の、World Boxing Super Series(ワールドボクシング・スーパーシリーズ、WBSS。Comosa社が主催するプロボクシングのトーナメント)バンタム級決勝戦以来の対決となったドネアは、39歳ながらWBCの世界王者であり、既に5階級を制覇した生けるレジェンドだ。
オッズでは井上有利だが、前回(WBSS決勝)同様 判定にもつれこむという見方は多かった。しかし、井上は「ドラマにはしない。前回は勝ちはしたものの、ドネアの株を上げる結果になったことを後悔している。今回はただ圧倒して必ずKOする」と繰り返していた。
有言実行を果たした右クロス
試合開始のゴングが鳴ってすぐにドネアの得意ブローである左フックが井上の顔面を襲う。
本来カウンターパンチャーであるドネアの積極攻撃に、井上としては油断を突かれたという感じだったかもしれない。ダメージはなく、井上はガードを高く上げて気を引き締める。
ドネアの動きはいい。井上尚弥の攻撃を交わしながら、強打を狙う。しかし、ドネアの左を警戒する井上尚弥もまた軽快な動きでドネアを追う。第1ラウンドはこのまま互いの良さを見せたまま終わるかに思えたが、ラウンド終了間際、井上の右クロスがドネアのテンプル(こめかみ)を打ち抜き、ドネアがダウン。
立つには立ったが、足がもつれる感じのドネア。しかしラウンド終了のゴングが彼を救った。
ダメージが抜け切らないドネア
2ラウンド目に入り、ドネアも井上もリング中央に向かったが、全ラウンド終了間際に受けたダメージは深刻だった。
試合後、井上は (第1ラウンドの)右クロスは打ち抜きすぎてそれほど手応えはなかったし、ドネアをすぐに倒そうと思っていたわけではなかった、と語っていたが、見た目以上に効いていたドネアを冷静に詰めたうえで、ロープ側で左フックを食らわせて2度目のダウンを奪うことに成功する。
ドネアは再び立つがレフェリーはここで試合を止め、井上尚弥の勝利が確定した。
上述のようにフィニッシュブローは井上の左だが、勝敗自体を決めたのは、第1ラウンドの右だったと思う。アゴではなく、テンプルをハードヒットしたこの一撃は、ドネアの脳を完全にクラッシュさせ、運動能力を奪っていたからだ。(ジョー=顎を強打されることにより)脳が揺れたのではなく、(テンプルへの強打で)ほぼ直接衝撃を与えられたことにより、ラウンド間の休憩時間(1分間)では復活し難いダメージが残ったのだろう。
全盛期のドネアだったらいい勝負になるかも?と思わなくもないが、勝負の世界にIfはなく、結果がすべて。とにかく井上尚弥の凄さが目立った試合だった。
話は違うが、井上尚弥と村田諒太は見た目も良く話も的確でうまい。2人とも頭が良く、ボクシングをよく理解しながら戦っている選手なのだと思う。(実際の村田諒太の試合は、僕はあまり評価しないが)
もう一つ、話は違うがAmazonプライムで生中継されたこの試合、ラウンドガールとして僕のイチオシ 雪平莉左さんが務めていたが、この人 美人すぎて 結局知る人ぞ知る存在から抜けれないんじゃないかなと思った。まあ余談ですが。
小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。
ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。