2023年7月29日(日本時間7月30日)WBA WBC IBF王者のエロール・スペンスJr.(28勝 22KO 無敗。米国)とWBO王者のテレンス・クロフォード(38勝30KO 無敗。米国)がついに激突。
下馬評では若干優位であったクロフォードが、2Rに一回、7Rに二回、計 三回のダウンを奪った挙句、9Rの猛攻でのTKO勝ち。史上初めての2階級での4団体統一を果たした。

ようやく誰もが知るビッグネームとのスーパーファイトにありつけたクロフォードは、その実力を余すことなく発揮し、強敵を簡単にぶちのめしたー。
クロフォードを応援していた僕だが、あまりの圧勝に驚いた、というか、少々困惑している。

サウスポーのスペンスに対して、オーソドックスながらスイッチヒッターのクロフォードは、右構え(つまりサウスポースタイル)で対応。
いつもはスロースターターというか、序盤は様子を伺いながら相手の分析に時間をかけるはずのクロフォードが、ジャブの差し合いでスペンスを圧倒し、さらには2回にダウンを奪ったせいか割と一気に攻めたというか本気を出してしまったというか、スペンスのいいところを全く引き出さずに試合を終えてしまった。

いつもなら、プロレス的というか、結局は倒してしまうのだけど、相手の長所を出させるクロフォードが完全に相手を叩き潰してしまった感が強い。
クロフォードが勝って嬉しいはずが、なんとなく腑に落ちないというか、納得できない試合になったなあという感じだ。リターンマッチもあり得るのだが、スペンスにしたらあまりに力の差があったのでやりたくないのが本音ではなかろうか。

これではクロフォードは次戦へのモチベーションを保てるのだろうか?と不安になるし、相手も決まらないだろうなと思えてならない。

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。