11月22日(日)にツインリンクもてぎで行われた「ピレリスーパー耐久シリーズ 第4戦」。そのST-2クラスに、以前当サイトでもご紹介したホンダ シビック TYPE Rが参戦! その足元にはBBS RFの姿が。今回はスーパー耐久を通して、ホンダ社員達の挑戦についてご紹介していく。

スーパー耐久とは?

数あるモータースポーツのなかでも、自動車競技(レース)に熱中する人は多い。

一口にレースと言っても、F1やGT、ラリー、耐久レースなどその種類はさまざま。そこに用いる車両も、F1専用のフォーミュラカー、サーキット専用特別車のレーシングカー、市販車ベースに改造を施したツーリングカーなど多彩である。

どのレースも白熱することに変わりはないが、クルマ好きにとって身近なのは、ツーリングカーを使用したものではないだろうか。

ツーリングカーを用いたレースというと、WTCR(世界ツーリングカー選手権・旧WTCC)が有名だが、日本国内に限っていえば「SUPER GT」と「スーパー耐久」が挙げられる。

市販車をベースにしたツーリングカー。観戦者にとっては非常に身近な存在といえる

この2つはまったく毛色が異なり、SUPER GTはスプリントレース。使われる車両はツーリングカーではあるものの、市販車の皮を被った狼……中身は完全にモンスターマシンだ。

一方スーパー耐久は、その名の通り耐久レースであり、3時間や5時間、24時間といった決められた時間内で走行距離(周回数)を競うというもの。

使われる車両は街中を走っている量産車をベースに少し改造を施した程度のもので、使用パーツなどもすべて一般に販売されているものばかり。

また、参戦チームも多彩で、自動車メーカー直系のワークス・チームあり、異業種によるプライベーターチームありとバラエティ豊か。ともすれば、これを読んでいるアナタ自身が参戦することだって可能な大会がスーパー耐久なのだ。

スーパー耐久が気になる方は公式HPもぜひ

排気量や駆動方式でクラス分けされる

スーパー耐久の参戦車両は、排気量や駆動方式によるクラス分けがされる。主なクラスは下記の通り。※2020年12月現在

  • ST-Xクラス
    FIA GT3 公認車両、公認期限の切れたGT3車両
  • ST-Zクラス
    GT4 規格車両
  • ST-TCRクラス
    TCR規格車両
  • ST-2クラス
    2001cc 〜3500cc迄の4輪駆動車両、及び前輪駆動車両
  • ST-3クラス
    2001cc 〜3500cc迄の後輪駆動車両
  • ST-4クラス
    1501cc 〜2000cc迄の車両
  • ST-5クラス
    1500cc以下の車両
  • ST-1クラス
    ST-2 〜 ST-5以外の車両

※過給機付き車両の場合は、ターボ係数として1.7を乗じた値がクラス分けの基準となる。

クラス分けされた車両は、別々に走るのではなく混走。つまり同じコースを同時に走行する。

そのため、走行中は抜きつ抜かれつのシーンが非常に多くなり、観戦者も興奮間違いなし。白熱したバトルが目の前で繰り広げられるわけだ。

勝敗を決するのは完走力とチームワーク

耐久レースの場合、単純に速さだけで勝敗が決するわけではない。まずは車両が壊れないこと、そして壊さないように走ることが重要だ。

勝敗を決するのは、ドライバーや車両の力だけではない。スーパー耐久では、レース中に3回のドライバー交代を伴うピットストップが義務付けられているため、いかに短時間でピット作業を終えられるかも課題となってくる。※5時間耐久の場合。3時間耐久の場合はドライバー交代は2回までとなる。

他のレースではピット作業は人海戦術による時短が可能だが、スーパー耐久では、ピットの作業人数は最大で5名までと定められている。※車両誘導員、給油中のホース保持等の補助要員、消火要員は除く。

そのため、ワークスチームもプライベーターも平等。強いて言うならば、そこにあるのはチームワークの差のみ、といったところだ。

レースは、所定のレース距離、または時間を先頭車両が走破した時点で終了となり、最終周回を完了した車両から、各クラスごとに総走行距離で順位判定が行われる。順位によってポイントが付与され、年間エントリーチームはその獲得ポイントの合計でシリーズチャンピオンの座を争うことになる。※年間エントリー以外にスポット参戦も可能。

50を超えるチームが本年のスーパー耐久には参加しているが、その目的はチームの数だけ存在するといっていい。ここからは、「Honda R&D Chalenge」がどんな想いを持って大会に望んだのか、第4戦を振り返りつつご紹介していこう。