元ボクシング世界ミドル級統一王者の、GGGことゲンナディ・ゴロフキンが自ら手放したIBFミドル級タイトルに挑戦した。
相手は3歳若いデレビャンチェンコ。

Gennadiy Golovkin | GGG on Instagram: “Getting ready for the Big Drama Show on @dazn_usa”

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ゴロフキンが手放し、あとを継いだカネロが返上したタイトルに、再びゴロフキンが挑戦

対戦相手は、セルゲイ・デレビャンチェンコ(ウクライナ)。
ゴロフキンの戦績 41戦39勝(35KO)1敗1分に対して、デレビャンチェンコは14戦13勝(10KO)1敗1分。デレビャンチェンコの1敗は、ゴロフキンに判定負けを喫したダニエル・ジェイコブスが持っていたIBFタイトルに挑戦して失敗したものだ。ちなみに、元々このタイトルはゴロフキンがジェイコブスから奪ったものなのだが、ゴロフキンがIBFからの指名試合をスキップしたことで剥奪され、そのあとを再びジェイコブスが継いだ。デレビャンチェンコが挑戦したのはこのときだが、その後ゴロフキンに土をつけたカネロ・アルバレスが、ジェイコブスを破りIBFチャンプとなったが、やはり指名試合に合意せず剥奪された。今回の試合は、カネロが失ったタイトルを賭けたタイトルマッチなのである。

年齢からくる衰えをどれだけカバーできるか

ゴロフキンは1982年4月8日 生まれ。つまり2019年10月時点で37歳であり、アスリートとしてのピークはすでに過ぎていると思われる。カネロに敗れて無冠となった理由がそのためであるとは言わないが、鉄拳の破壊力に衰えは見えないものの、一時期の無敵ぶりからするとつけ入る隙が見え隠れするのは致し方ない。
逆にいうと、いつまで彼が現役を続けるのかはわからないが、リング上の勇姿を見られるのはあと2-3年が限度だろう。

一方で対戦相手のデレビャンチェンコは1985年10月31日生まれ、つまり今日時点で33歳。こちらもさほど若くはないが、ゴロフキンより3歳下。

ゴロフキンと比べればかなり地味で格下と思われ、下馬評でもゴロフキン優位の声が多い。しかしながらパワーでは申し分なく、たやすい相手というわけではない。

攻撃偏重型のゴロフキンに対抗するには?

ゴロフキンは、構えはオーソドックスで、トリッキーな動きもない。ディフェンスがそれほどうまいわけではなく、わりと打たれることも多いのだが、身体(筋肉)がよほど柔らかいのだろう、パンチを受けてもあまり効いた感じがしない。
そして、石が入ってるんではないか?と言われるくらい“硬い“剛拳を振るう攻撃的なスタンスで(特に、ストレート並みの威力を持つ左ジャブを執拗に振るうことで)、常に相手に圧力をかけていく。結局、その猛烈な圧力によって相手に手を出す隙を与えず、相打ちになっても自分にはあまり効かず、相手はダメージを受けていくことで、大勢を抑えていくというのがゴロフキンのスタイルなのである。
いわば、攻撃は最大の防御を地でいくタイプだ。
(だから、カネロとの第1戦ではこの圧力を受けきれなかったカネロはゴロフキンに圧倒されたが、ゴロフキンが衰えたのか それとも鍛え直したカネロの若さが上回ったのか、第2戦ではゴロフキンに逆にプレッシャーをかけ返したカネロに、ゴロフキンは屈することになった)

試合展開〜試合結果

試合自体は、デレビャンチェンコの善戦が目立つ形になった。
1ラウンド目でダウンをうばったゴロフキンだが、その後はクリーンヒットの数では勝るものの、終始デレビャンチェンコの攻勢にゴロフキンは手を焼き続けた。(デレビャンチェンコの頭は、ゴロフキンを破ったカネロの戦い方があったのかもしれない、パンチを受けても下がらずにプレッシャーをかけ続けてゴロフキンを下がらせるという戦い方だ)