返り咲いたジョシュアは、これで24戦23勝(21KO)1敗。
前回は先にダウンを奪っておきながら、KOを狙って打撃戦に挑んだ結果、逆にルイスの強打に沈んだジョシュア。
その教訓から、今回のジョシュアは決して打ち合いに応ずることなく、距離をとって足を使いつつ終始アウトボクシングに徹し、そもそもの実力どおり、ルイスを翻弄した。
見せ場はあまりなく、冷静さを最後まで持ち続けたジョシュアがルイスを突き放したまま最終ラウンドを迎え、そのまま判定で勝利を得た。
勝ちにこだわった戦い方であり、正しい戦略であるとは思うが、徹底的にKOを狙うワイルダーの試合のスリリングさと比べると面白みには欠ける試合だった、というほかあるまい。
ルイスは3度目の試合を希望しているらしいが、打ち合いにジョシュアが付き合わない限り、その短躯から繰り出すパンチはジョシュアを捉えることがないだろうから、今回と同じような結末になることは想像に難くない。もはや多くの観客を集めることもかなわないだろう。
逆に、ジョシュアも王座に復帰したものの、商品価値は決して上がってはいないと思う。ヘビー級の王位WBA(スーパー)、IBF、WBOの3つを再び手中にしたジョシュアだが、残るWBC王者として存在感を増しているのはワイルダーであり、ヘビー級戦線で最注目を集めるのは 無敗同士の再戦が決まったワイルダーとフューリーの2人。
彼らと比べると、ジョシュアのポジションはかなり後退していると言えるだろう。
王座には返り咲いたものの、ジョシュアがヘビー級のスーパースターに復帰するには、ワイルダーVSフューリーの勝者と闘い、そして勝つほかないと僕は思う。
小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。
ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。