外出自粛やテレワークのため、運動不足が気になる皆さんに、ケトルベルトレーニングをご紹介しよう。シンプルかつ短時間(10分程度)でできる基本的なプログラムを1つ覚えるだけでOKという手軽さだ。

初心者から熟練者 すべての人にとってルーティンプログラムとなるのが、ケトルベル・スイング

ケトルベルトレーニングにもインストラクターを認定する組織が存在する。つまり、熟練度に応じて異なる複数のプログラムやスキルセットがある。
ただ、コレだけ覚えておけば OK!と言える基本中の基本となるプログラムが存在する。ボクシングで言えば“ワンツー”(前拳でのジャブ→後拳でのストレートの組み合わせ)のようなものだが、今回の目的であるCOVID-19の感染防止のための在宅待機中の運動不足解消 のためなら、複雑なトレーニングプログラムや高い熟練度を目指すまでもないわけだし、初心者にでもすぐ取り掛かれて、かつ熟練者にとってもルーティンになるプログラムがあるということは、実に都合がいいだろう。

そのトレーニングプログラムは、スイング という。

文字どおり、ケトルベルを振り回すかのようなトレーニングなのだが、両手でケトルベルを持つツーアーム・スイングと、片手で行うワンアーム・スイングの2種類がある。
今回は、基本中の基本であり、かつより安全で手軽なツーアームを覚えれば良いだろう。

やり方は非常にシンプル。

まず肩幅より少し広めに立ち、やや遠目に目線を落としたところにケトルベルを置く。そのとき、取っ手を持ちやすいように自分の肩の線と取っ手が平行になるようにする。
その状態で背筋をしっかり伸ばしたまま、腰を曲げ(この時には膝を曲げても構わない)、ケトルベルを両手でしっかり握り、腕を伸ばしたまま、股間に向けて(つまり後方に向けて)ケトルベルを振り上げる(バックスイングする)。

両腕の上腕部が両腿にぶつかることで生まれた反動を活かして、今度はそのまま(反対側、つまり)前上に振り上げる(フロントスイングする)。

そしてそのまま反動を活かしたまま振り下ろし、再び股間に向けてバックスイングしたあと(ここまでで1回と数える)、またフロントスイングする。あとはコレを繰り返すのみだ。

このとき大事なことは、

・腕の力は使わない。あくまで反動を活かして振り上げる
・力まず呼吸を止めない。バックスイングは(鼻で)息を吸い、フロントスイングでは(口で)息を吐くこと。
・振り上げすぎず、顎の線と水平になるくらいの高さを目指す。もちろん低すぎてはならないが、かと言って高すぎてもいけない。
・振り上げるときは尻の穴を締めるようにして、腰ごと前に突き出すことを意識する。背中を丸めてもいけない、あくまで背筋は伸ばしたままで行う。そうすると自然に膝も伸び、真っ直ぐになる。

のようになる。
『ケトルベルマニュアル』を読むと、このスイングの正しいフォームを身につけることは案外難しいとのことだが、トレーニングの効果が出るレベルにまで到達するくらいであれば、それほどすぐ難しくないと思う。もちろん重さを変えれば難易度は上がるだろうが、在宅トレーニングでそこまで厳しく突き詰める必要もないだろう。
あくまで効果重視で、前述のように、振り回したケトルベルで自分はもちろん家人に怪我をさせたり、家具を破損したりしないように気をつけつつ、できるだけ正確なフォームを心がければ良いと思う。

ケトルベル スイング 動画”で検索すれば、多くの動画にリーチできるはずだから、それらでフォームの確認をするのもいいだろう。

例えば以下↓のような動画が見られる

ケトルベルトレーニング「スイング」[BODYMAKER]

youtu.be

このスイングを、1日に数セット(10-15回/セット、としてもいいし20-30秒/セット、としてもいい。筋トレとエアロビクスの両要素を持つ本トレーニングの特徴をよく示していると言える)行えば、運動不足解消どころか、カラダの引き締めや運動能力の向上を短期間で感じるはずだ。というより(最初のうちは特に)翌日から筋肉痛を存分に感じられることだろう。

このケトルベル・スイングは、全身の筋持久力や心肺機能アップに役立つが、筋肉に効くという点では、比較的 (お尻や腰、太腿など)下半身、かつ後ろ側に偏りがある。
だから、より肉体美というか見た目に寄与する大胸筋や腹筋を鍛えたい、という人は、正しいフォームでの腕立て伏せや腹筋運動を追加で組み合わせるとより効果的と思うが、在宅時に1番衰えるのは脚力だと思うし、長時間座っていることで腰痛を患う声も聞くので、それらの解消にはケトルベル・スイングだけで十分効果が出るものと思う。

ケトルベル・トレーニング(含スイング)はもちろん万能のトレーニング方法ではないから、目標を高く持つ人なら、より多くのトレーニングプログラムを組み合わせで行うべきだろうが、まずは誰にでもできて、続けやすく、短期間で効果も期待しやすいプログラムを1つ、確実に習慣づけることを目指したらいかがだろうか。

あれこれ最初から目標を高く持つことは決していいことではないし、始める前から目標を複数掲げるのも良くない。まずは一定期間継続して習慣づけること。それが最も重要で、かつ最も達成が難しい目標であることを理解すべきである。

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。