ロシア発・世界唯一のサイドカー専業メーカー「ウラル」。その魅力を広めるべくウラルジャパンCEOとして活躍するブラド氏は、理想を実現するために日々努力を欠かさない。その成功の影には、ブラド氏が生涯を通して嗜む「武術」があった。Vol.5では武術稽古についてご紹介いただいた。

こんな今だからこそポジティブにいきましょう!

みなさま、お元気ですか? 今年はいろんな意味で異常が多く気持ちも落ち込みがち。でも、負の気持ちに流されてはいけませんよ!

「運がいい人」「運が悪い人」などとよく見聞きしますが、運がいいと言われる人たちは自分の運を自分で作っているのだと僕は思います(もちろんどうしようもないこともありますけど…)。

運を引き込むことができるかどうか、そういう気持ちを持っていられるかどうかはとても重要です。どんな成功ストーリーの裏にも間違いなくUps&Downs(浮き沈み)があります。最後に成功するためには、途中で何があっても諦めないこと。

ポジティブにいきましょう!

ただ、その道のりを楽しめるかどうかはとても重要な問題です。どんなに大きな目的があっても日々を楽しめないとただの苦行です。それに、嫌なことをやり続けて成功するのってとても難しいと思います。

いかに良い流れに乗れるかは自分の考え方次第。とにかく何事もポジティブに考えることが大切ですね。

武術稽古は基本がすべて

さて、今回は武術の稽古について話をしたいと思います。

稽古も人生と同じで“諦めない”ことが大切です。そして“急がない”こと。

早く上手になりたいと思うのは当然ですが、基本の動きが身についていないとどんなに優れた技も実戦で使うことはできません。

本当のストリートファイトは数秒しか続かないうえ、ほとんどシンプルな動きしか出せません。なので、基本をしっかり学び自然と身体が動くようにする必要あります。

基本は型に集約される

「基本」とはスタイルの本質、原理です。これは武道において「型」と言われるものにすべて集約されています。

空手や古武道はもともとは「型」が基本だったらしいです。型にはすべての基本技が入っていて、古来から稽古では一生懸命型の修行をしていました。

現代では型から派生した「基本移動」や「その場基本」などの稽古もありますが、元はすべて一つだったそうです。

型をしっかりと練習すれば、知らない間に体も鍛えられて、実戦において身体が自然と動いてくれます。少し難しい言い方をすると、人間の本能的な動きのプログラムを、武術的な動きのプログラムに書き換える訓練です。ただ、ここで重要なのは「正しく練習する」ということです。

例えばYouTubeで型の動画を見て、その通りに出来るようになったとしても、一つ一つの動作の意味がわからなかったらダンスと同じです。深いところは師匠にしっかりと教えて貰わないとダメなんです。

フィリピン武術のカリも同じく練習は基本から始まります。足の運び方、武器の持ち方、扱い方などは全部基本に含まれます。型の練習ももちろんあります。その他、ドリル(タガログ語でSinawali)というペアを組んで能力を向上させるために行う反復練習も重要になってきます。

沖縄空手もカリも関節技や相手のバランスを崩す技などが多くて、相手とペアを組んで練習し、感覚を掴んでいきます。

しかし今はコロナウイルスのため、ソーシャルディスタンシングをキープしないといけないですからこの練習はできません。

しかしこれも考え方次第です。距離を置いた稽古しかできないから今だからこそ、丁寧に基本を磨くチャンスと僕は考えています。