こんにちは、恐竜おねえさんこと生田晴香です。日本の恐竜といえば、福井、北海道、兵庫などから発見されていますが、学名はついてないものの化石は発見されてるエリアはたくさんあります。その中でも最近また新たに化石が発見&公開された!と話題になっているエリアがあるのでご紹介します。

連載コラム「生田晴香、恐竜と生きる」。福井恐竜博物館 公認恐竜博士、古生物学会友の会・恐竜倶楽部メンバーでもある自他共に認める恐竜ラバーのタレント生田晴香が、恐竜の素晴らしさを隅から隅まで語り尽くす。壮大な歴史とドラマ、未解明の不思議が交差する魅惑の恐竜ワールドへ、ようこそ。- dino.network編集部

日本の最新恐竜ニュース

カムイサウルス、フクイラプトル、タンバティタニス…
全国のあらゆる場所の学名がついたものや卵化石のほんの一部など、あっちこっちで恐竜が発見されています。

日本の恐竜といえば…(まとめはこちら)

まだ発見されていなくても、恐竜時代の地層があればたまたま散歩していた一般人が偶然見つける可能性も全然あります。

最近話題になったのは「長崎市でティラノサウルス科の歯追加発見!」というニュース。長崎半島西海岸の約8000万年前の地層からティラノサウルス科の歯が発見され、大盛り上がりでした。

長崎から恐竜化石

www.dinosaur.pref.fukui.jp

2014年、長崎市と福井県立恐竜博物館の共同調査において、長崎半島西海岸の「三ツ瀬層」から複数の脊椎動物化石を収集されました。

福井県立恐竜博物館で化石クリーニングと修復作業が行われ、長崎で3例目となるティラノサウルス科の大型種の追加標本である歯が判明したのです!(拍手)

そう、とどのつまり長崎ではすでにティラノサウルス科の歯が発見されていて、更にまた追加で発見されたということです。

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新たな歯の化石(右)と、2015年公表の化石2点(左と中)の画像。

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形状や摩耗から右下顎の歯と見られ、先端から根元までの長さ8.5センチ、根元の幅3.3センチ、厚さ1.8センチ。全体的に保存状態は良好とのこと。素晴らしいですね!(拍手)

ティラノサウルス科の化石は他にも熊本県で発見されています。化石は歯冠部分のみで、高さ(長さ)42mm、幅25mm、厚さ16mmであり母岩に残された印象の痕跡から歯は高さ56mm以上もあったことが判明しています。

天草市天草町分布する白亜紀後期の姫浦層群・軍ヶ浦層(別名:宮野河内層)から、天草市立白亜紀資料館と福井県立恐竜博物館による共同調査により発見されました。

その時は「ティラノサウルス科に類似する特徴が見られ…」との発表でしたが、新たな研究でそちらもティラノサウルス科に決まりました。全長7mを超える大型獣脚類のものと推定されています。

やはりティラノサウルスはかっこいいですからティラノサウルスみたいな大型の肉食恐竜が日本にいた証拠がどんどん見つかっていておめでたいですね!

あ、、、ティラノサウルスではなく「ティラノサウルス科」なので、それはもうティラノサウルスのことなのでは?と思う人もいるかもしれませんが、その化石が100%ティラノサウルスというわけではありません。

ティラノサウルス科はティラノサウルス上科の進歩的なグループで、白亜紀後期の終わり(約8300万年前~約6600万年前)の北米とアジア(主にモンゴル、中国)に化石記録があります。

恐竜時代、日本と中国はくっついていたのでアジアで発見されているなら日本にもいておかしくはないでしょう。これからもどんどん追加で化石発見されてほしいですね。

新しく恐竜王国誕生?!

みなさんは長崎県長崎市に恐竜博物館があることをご存知でしょうか。生田晴香は行ったことはないのですが、なんと1年前の2021年10月にできていたんです。

館内は有料の展示室と、化石を分析している様子を間近で見学できるオープンラボやミュージアムショップがある無料ゾーンの2つに分かれています。

長崎から発見された恐竜化石や、世界最大級のティラノサウルス(トリックス)の日本唯一のレプリカ、トリケラトプスの本物の角など貴重な標本を数多く展示され、ティラノサウルスの復元ロボットまであるそうです。

nd-museum.jp

クビナガリュウの骨を動かし可動域を確認できるそうで、未確認生物ネッシーみたいにはならないことが学べます。

そこのエリアには「長崎のもざき恐竜パーク」があり、恐竜遊具や恐竜の肉(鶏肉)を使った恐竜サンドが食べられるファストフード店「GAOGAO」があったりと、行けば一日中楽しめそうです。

恐竜王国といえば、福井、北海道のイメージでしたが、これは長崎も恐竜王国に追加していいのではないでしょうか。

迷いどころですが恐竜王国かどうかはやはり自分の目で確かめてから決定したいので、これは行ってみるしかありませんし皆さんもぜひ自分の目で確かめに行ってみてください。

なんと! 今回話題のティラノサウルス科の追加標本(本物)は2022年10月29日から長崎市恐竜博物館で一般公開されています。
※レプリカは福井県立恐竜博物館常設展示(2022年12月5日から2023年7月頃までリニューアルのため休館)

レプリカもいいですがやはり日本に住んでいるなら本物をじっくりと見て人生を楽しみましょう。ではまた次回!

ショートヘアにしてみました、生田晴香です。

長崎市恐竜博物館
HP:https://nd-museum.jp/
予約サイト:https://nd-museum.jp/reserve/
(長崎市恐竜博物館への入館は事前予約が必要)
住所:長崎県長崎市野母町568-1
開館時間:9:00~17:00
休館日:毎週月曜日(祝日を除く)

生田晴香 | Haruka Ikuta
恐竜タレント。TV、CMのほかモデルとして活躍中。福井恐竜博物館の公認恐竜博士で恐竜検定所持。恐竜トークショー、クイズ、鳴き声コンテスト審査員。古生物学会友の会&恐竜倶楽部メンバー。恐竜のうた「ダイナソーDANCE」監修。実は元あやまんJAPAN。
YouTubeちゃんねる「恐竜わっしょい!」始めました。

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