フォーマルからインフォーマルまで、自身のこだわりを移す鏡として選ばれる腕時計の数々。ここではブランド腕時計専門店・MOON PHASE(ムーンフェイズ)が最新モデルからアンティークまで、見る者の感性を刺激する1本をセレクト。今回は、パテック・フィリップから、ティファニーとダブルネームのカラトラバをご紹介する。

PATEK PHILIPPE
世界最高の呼び声高いブランド・PATEK PHILIPPE(パテックフィリップ)。そのはじまりは、1839年にポーランド出身のアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックが創設した「Patek,Czapek & Cie」から。その後、技術者であるジャン・アドリアン・フィリップと出会い、1851年に“世界最高の時計をつくる”という社是を掲げ「PATEK PHILIPPE & Cie」と社名を改めた。「カラトラバ」「ノーチラス」といった代表的なコレクションや超絶のコンプリケーションウォッチまで幅広いラインを備え、ひたすら完璧な“時計の美”を魅せる至高の時計ブランドとして、時計界の頂点に立ち続けている。

パテック・フィリップ × ティファニー

パテック・フィリップの代表的な1本であるカラトラバ。当連載Vol.6でアンティークを、Vol.48で現行モデル(2020年10月現在)を、Vol.59では派生モデルを紹介してきた。同シリーズでの紹介回数としては最多である。

世に出てから88年という歴史を誇る同シリーズだけあって、その過程ではさまざまなモデルが作られてきた。今回セレクトしたのも、そうした中で生まれた特別な1本。ティファニーとダブルネームのカラトラバだ。

パテック・フィリップ カラトラバ Tiffany & Co.

パテック・フィリップとティファニーの関係は、それぞれのブランド黎明期である180年ほど前まで遡る。

当初はイチ時計ブランドと小売業者の関係だったが、ブランドが大きくなっていく中で、その仲は蜜月となり、これまで多くのダブルネーム作品を生み出してきた。

それらは現在に至るまで高い人気を誇り、各ブランドのファンからも特別なものとして認知されている。

オーナーの愛? ベストマッチなメッシュブレス

さて、紹介する時計を見ていこう。

このダブルネームのカラトラバは1964年に製造されたもの。写真を見ていただければわかる通り、今から56年も前に作られたとは思えないほどの素晴らしいコンディションを保っている。

56年前に作られたものとは思えない良コンディション

デザインはシンプルながらも、イエローゴールドのケースにより非常に上品な仕上がり。

ダイヤル下部にはしっかりとティファニーのブランドネームが配置されている

特長的なのはケースと同色のメッシュブレスレット。これは元々レザーベルトだったのを以前のオーナーが交換したもので、なんとブレスレットもティファニー製である。

それもケースと同じく18Kイエローゴールドだというから、これをセレクトした以前のオーナーには脱帽だ。

製造年・販売店・販売日……すべての記録がここに

ダブルネームモデルは人気があるため、一時期模造品も多かったという。しかし本モデルにはパテック・フィリップが発行したアーカイブが付属する。

ここにはムーブメントNoやキャリバー、文字盤の素材や製造年、販売日などその時計のストーリーがすべて記載されている。

アーカイブはそもそも本物でしか取得できないものであり、パテック・フィリップが真贋判定をした確固たる証拠だ。そのため、余計な心配は無用!安心してほしい。

創業からすべての時計の記録を保存しているパテック・フィリップ。1本1本のストーリーがアーカイブには記載されている

世界一の時計ブランドとして知られるスイスのパテック・フィリップ。そして、世界でその名を知らないものはいないアメリカのジュエラー・ティファニー。

2つの名を冠する本モデルは、アンティークとしても資産性が非常に高く、近年のモデルとはまた違った趣がある。

この美しい1本ははたして誰の手に渡るのか……

もしかしたら、これを見ているアナタかも?

PATEK PHILIPPE
カラトラバ Tiffany & Co.
品番:PATEK PHILIPPE / 3423J
素材:YG(イエローゴールド)
サイズ:縦34㎜×横34㎜
ムーブメント:手巻き
文字盤:アイボリー
販売価格:1,850,000円(税込)※アンティーク
製造年:1964年
【付属品】
簡易ボックス、アーカイブ等が付属
※価格は2020年10月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。

MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜

アンティークの腕時計だと素材がゴールドでも、9Kだったり14Kだったりすることがあるのですが、本モデルはしっかりと18Kを使っています。これはパテック・フィリップが発行するアーカイブにも明記されていますので確かです。

さて、イエローゴールド一色の見た目は少し派手に思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし実物を目の前にしてみると、ブランドイメージやデザイン、アンティーク時計独特の風格が絶妙に溶け合い、派手というよりも円熟味を感じます。

この円熟味と身に付けたときの“渋さ”は、もはやほかの時計では出せない領域と言ってもいいでしょう。

このモデルに関しては、ぜひ皆さまにも実物を見ていただきたい。そして、一度腕に置いてみてほしいです。きっとそのとき、あなたはこの時計に魅了されているはずです。

所在地東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F
TEL03-5250-7272
営業時間11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで)
定休日水曜日
公式サイトhttps://www.moon-phase.jp/
【MOON PHASE(ムーンフェイズ)銀座】

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